初主演ドラマで自分自身を演じることに・・・
相楽:そうなんですよ。初主演なんですけど、相楽樹役が来まして、最初はかなりビックリしました。でも、根本さんはご一緒してるので、普段の私を書いているのかなと思いきや、意外と心の声がたくさんあって。普段はニコニコしてるけど、心の声ではドギツイことを言っていて、別物の感覚で演じてました。
権八:相楽樹役というのはどういう設定ですか? 女優の今、現存する・・・。
澤本:現存するってどういうこと(笑)?
相楽:現在存在している(笑)。本当にそこはリアルなんです。『とと姉ちゃん』に出演した相楽樹という設定なんですけど。
権八:ブレイクしたと勘違いしている、みたいな?
相楽:そういうことなんです。街に出たら街中の人が私に気づいちゃうから、サングラスとマスクと帽子を被って出歩かないと街に迷惑がかかると勘違いしてるんです。そんな相楽樹が一話ごとにゲストが違うんですけど、行く喫茶店の先々でコテンパンにされて、「お前なんて誰も知らねーよ」「幸薄いんだよ」「色気がないんだ」と散々言われる、というドラマです。これで合ってるのかな(笑)。
権八:設定だけ聞くと、めちゃくちゃ面白そうですね。実際に相楽さんはそういう風に勘違いしてるんですか?
相楽:してないです(笑)。一切してないです、大丈夫です。
権八:みんなが私に振り向いているとは思ってないと?
相楽:思わないですね。
権八:そういう本人役で出るフェイクドキュメントみたいな。今、『住住(スムスム)』でしたっけ?
相楽:バカリズムさんの。
権八:そうそう、あれも本人役で二階堂ふみちゃんとバカリズムとオードリー若林さんが出て。そういうのが流行りというか、流れありますよね。
相楽:山田孝之さんのもそうですよね。カンヌもやってますし。
権八:そうだよね。『こんにちは、女優の相楽樹です。』のコンセプトも澤本さんは関わってるんですか?
澤本:ううん、僕は放っておいて、やっていただいて感謝しています。
権八:でも、CM90秒みたいなところは?
澤本:そこはやった。書いたけど、そこのところだけ相楽さんじゃない人にやってもらった。本当に相楽さんがずっとやっちゃうと、放送できないんだよ。番組とCMの境目がわからないから。
相楽:分けなきゃいけないんですか?
澤本:分けなきゃいけない。だからそこだけ違う方に、優希美青さんというホリプロの女優様に出ていただいていて、その人が相楽さんをバカにするという。
相楽:結果、バカにされるんですね(笑)。
権八:それ、大丈夫ですか? 役柄とはいえ、ドラマの中でコンテパンにやられるじゃないですか。しかも本人役だから、意外とリアルな自分の本当のところとも関わってくるじゃないですか。
相楽:そうなんです。リアルとファンタジーが混ざっちゃってるので、全部言われてることを根本さんが本当に思ってるんじゃないかというぐらい(笑)。でも、言われ過ぎてもう最後のほうは慣れちゃいました。
権八:すごいな。
澤本:でも、面白かった。僕らはクライアントさんや放送局に気を使って、こういうセリフ書かない、書けないというものがいっぱい書いてあるわけ。「NHKの朝ドラに2回出て」とは、他局だから書けないんじゃないかと思ったけど。で、基本的に威張ってるの、この人。
相楽:そうなんです。「私、『とと姉ちゃん』に出てたから」っていうセリフもあるんです。
権八:マジですか? それ、普段からも言ってるんですか?