顧客起点の発想で業務を再デザインする
正式に事業部が発足になったのは2016年だが、約4年前からBtoB企業向けのマーケティング支援を行ってきた富士通。すでに100件以上のプロジェクトを手掛けてきた実績がある。11月にはこれまでの知見を基に独自開発した、マーケティング活動の基幹ソリューションとなる「SolutionCX360」の提供を開始した。
「Human Centric」思想を基盤にした「CX360」は、顧客起点でマーケティング・業務プロセスを再デザインしている点に特長がある。単なるITソリューションの導入・サポートに限らず、企業ごとで異なるビジネスモデルや現状の課題を把握した上で課題解決へと導き、また企業内で継続的に運用できる体制構築を実現するためだ。
また、顧客起点のマーケティングを実行するうえでは、その時々の顧客の気持ちを理解、把握することが欠かせない。そこで、数ある特徴の中でも平山事業部長は「『CX360』の最大の特長はリアルタイムアクションを実現している点にある。
顧客の行動、属性、嗜好を分析、統合した深い顧客理解、その理解に基づくパーソナルなアプローチの双方をリアルタイムに実現することで、顧客体験の向上を継続的に図り、マーケティング活動の高度化を支援している」と話す。
同事業部チーフビジネスプロデューサーの関口直弘氏も「毎日のように私たちのスマホにはたくさんのオファーメールが企業から来るが、企業側としてはパーソナライズしていると思っていても、消費者目線で見ると実際には不要なメールがほとんど。ICTが体験価値の向上に貢献できる余地はまだまだ大きい」と指摘する。
BtoBでもBtoCでも、企業の先にいるのは「人」であることに変わりはない。加えて、企業における購買意思決定に際しても、デジタルチャネルを介した情報・体験が大きな影響を与える状況から、富士通ではBtoBでも顧客起点のマーケティングの実現が不可欠だと考えているという。
コンサル部隊も拡充 日々寄り添うパートナーへ
これまで日本企業は、自社の組織や業務フローに合わせようと、デジタルソリューションのカスタマイズに対するニーズが強く、パッケージ型のソリューションの導入に際して壁があるという指摘もあった。
富士通では、こうした課題も踏まえた上で「個々の企業の業務要件に合わせ、必要なピースだけを組み合わせて提供できる形をとった。ソリューションのフレキシブル性も『CX360』の特長」(平山氏)だ。
加えてソリューションとしての「CX360」でマーケティングの成果を出すため、デジタルマーケティング事業部ではコンサルテーションも強化している。具体的には「Team CX360」という専門人材を擁した組織を立ち上げ、企業のサポートを行っている。
「業務プロセスや組織づくりまで含めたマーケティング戦略の企画・実行を支援する『ビジネスプロデューサー』、アジャイル型の開発にも対応できるSE集団『データエンジニア』、データサイエンティストのプロ集団『キュレーター』、お客さまの業務課題を吸収し、ソリューションの企画や開発を行う『サービスプロデュ―サ』など、IT領域にとどまらない専門家たちが、成果につながるマーケティング部門の活動をサポートしている。80年以上に渡り、富士通が培ってきた技術、ノウハウ、アプローチがデジタルマーケティング事業部に結集している。
日本企業ならではの組織や体制の課題も熟知している私たちが、日本のBtoB企業のマーケティングを力強く支援していきたい」と平山氏は今後の展望を語った。
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