「広告の終わり」が始まった、邪魔ものからの変身は可能なのか?

広告の未来はあるのか?

筆者は広告の未来を案じているというわけではない。だが、広告の未来は「メディアの未来」でもある。

Forresterレポートが語るように、消費者の邪魔をするという行為は、消費者がそれでもなお、選択した場合にしか許されなくなるはずだ。

では、「広告の終わり」の果てには何がやってくるのか。冒頭の田端氏の論に戻れば、

消費者の欲求が知覚され、需要が認識され、欲求を満たそうとする行動の文脈にかぎりなくフィットし、埋め込まれている。これこそが2017年以降に求められる広告の最善のあり方なのだ。

ということになる。「Amazon Dash」ボタンは、氏にとってそのような存在だ。
一方のForresterレポートでは、

消費者は、もっと効果的な回答に(おカネや興味を)支払うことになる。モバイル機器は、消費者の日々の一挙手一投足に身近である場所へブランドを置くことになる。

とした上で、「Persistent Personal Assistants (PPAs)」、すなわち継続的にユーザーに付き従う人工アシスタントのような存在を想定する。(Amazonの)AlexaやGoogleアシスタントなどがその一端ということになる。

つまり、いずれもが消費者の望むものへと向かって、広告はその姿を変えようとしているとも理解できる。

もはや、それを広告と呼ばないのかもしれないのだが。


参照資料
オーケー、認めよう。広告はもはや『嫌われもの』なのだ — LINE 田端信太郎
The End Of Advertising As We Know It
The End Of Advertising
大手広告主の予算凍結事件が突きつけるもの。メディアが生み出す文脈的価値とは何か?
2017 Adblock Report
米ネット広告売上が22%増と急成長なのに、グーグルとフェイスブック以外のメディア会社がゼロ成長なのはなぜ

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藤村 厚夫(スマートニュース)
藤村 厚夫(スマートニュース)

90年代を、アスキー(当時)で書籍および雑誌編集者、および日本アイ・ビー・エムでコラボレーションソフトウェアのマーケティング責任者として過ごす。

2000年に技術者向けオンラインメディア「@IT」を立ち上げるべく、アットマーク・アイティを創業。2005年に合併を通じてアイティメディアの代表取締役会長として、2000年代をデジタルメディアの経営者として過ごす。

2011年に同社退任以後は、モバイルテクノロジーを軸とするデジタルメディア基盤技術と新たなメディアビジネスのあり方を模索中。2013年より現職にて「SmartNews(スマートニュース)」のメディア事業開発を担当。

藤村 厚夫(スマートニュース)

90年代を、アスキー(当時)で書籍および雑誌編集者、および日本アイ・ビー・エムでコラボレーションソフトウェアのマーケティング責任者として過ごす。

2000年に技術者向けオンラインメディア「@IT」を立ち上げるべく、アットマーク・アイティを創業。2005年に合併を通じてアイティメディアの代表取締役会長として、2000年代をデジタルメディアの経営者として過ごす。

2011年に同社退任以後は、モバイルテクノロジーを軸とするデジタルメディア基盤技術と新たなメディアビジネスのあり方を模索中。2013年より現職にて「SmartNews(スマートニュース)」のメディア事業開発を担当。

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