ラジオのファンを増やすためにできること — radiko.jpの今後と展望

マスメディアからインターネット、アウトドアまで、広告メディアについてのあらゆるデータを収録した書籍『広告ビジネスに関わる人のためのメディアガイド2017』(博報堂DYメディアパートナーズ編)が、4月下旬から全国の有力書店・オンライン書店で販売されています。「メディアガイド」は、博報堂DYグループの社内向け冊子を2015年に初めて書籍化したもの。2017年版は、デジタル領域の新しい用語やデータに対応し大幅アップデートしています。

コラムでは、本書の編集に関わった博報堂DYメディアパートナーズ社員が、各メディアのトピックを紹介します。

サービスの進化が続くラジコ

radiko.jp(ラジコ)は2010年3月に誕生した。以後参加放送局が増え、今いるエリア内のラジオがインターネットを通じて無料で聴取可能になり、「手軽に」ラジオが聴ける環境が整えられた。

2014年4月には、今いるエリア以外のラジオ局も聴ける「ラジコプレミアム」を開始し、「どこでも」好きな放送局を聴取することが可能になった。

2016年10月には、タイムフリー聴取機能の実証実験を開始し、過去1週間の番組が聴取可能になり「いつでも」好きなラジオ番組が聴取可能になった。

今やラジオは「いつでも」「どこでも」「手軽に」聴取が可能なものとなっている。

さらなる成長のために必要なこと

今後の中長期的成長のための3つのキーワードは【サービス拡充】【プロモーション】【収益施策】である。ラジコをご利用いただくユーザーにラジオの価値を感じてもらい、生涯ラジオリスナーになっていただけるようなサービス展開を行い、そんなラジコを1人でも多くの生活者に利用していただけるようプロモーションを行う。新たなユーザーが生まれ、ラジオリスナーとして定着することで、さらなる広告価値向上が図られ収益が上がるようになれば、さらなるサービス拡充やプロモーションなどが可能になる。このような正の循環を目指していきたい。

【サービス拡充】とは、新しくラジコへ訪れた生活者には新しい番組への出会いを提供し、既存の生活者にはもっとラジオが好きになるような「ラジオ体験」が得られるサービスを目指すことである。初めて来たユーザーに対して「こんな番組はいかがですか?」「こんな番組が最近人気だよ」など、または番組を聴いている最中や聴き終わった際に「こんな番組も面白いよ」とおススメしてあげることがまず必要だ。

価値をより広く伝える活動が不可欠

【プロモーション】は、この番組はどんなリスナーに聴いてもらいたいのか、そのユーザーのどんなニーズを満たせるのか、そのユーザーに感じてほしい価値は何か、どうやってその価値を理解してもらえるのか……。一人でも多くの方に『ラジオ(番組)の価値』を認識してもらい、ファンになってもらう活動である。

昨今、デバイスやネット環境の進化により、様々なシーンで生じるニーズは「どこでも・すぐに・手軽に」満たすことができ、様々なサービスが「ラジコの競合」サービスなのだ。サービスを拡充するだけで新たなリスナーが増え続ける訳ではない。こういう視点でのプロモーションはラジオ業界を挙げて必要なのではないだろうか。

【収益施策】の代表的手法は広告商品開発である。ラジコはインターネットのメディアでもありラジオのメディアでもある。伸長するインターネット広告市場から収益を得ることも、デジタルの音声広告になど、新たなラジオ広告市場も切り開きたい。

サービスを拡充し、プロモーションを展開しユーザーを増やし、収益を上げていく。
各施策において、様々な課題があることも事実ではあるが、ラジオ業界や各ステークホルダーの方々と丁寧な議論をしながら推進していきたい。

大塚直仁
radiko 業務推進室 
(博報堂DYメディアパートナーズから出向中)

 

メディアガイド2017 (博報堂DYメディアパートナーズ)
メディアガイド2017 (博報堂DYメディアパートナーズ)

執筆者:博報堂DYメディアパートナーズ
博報堂、大広、読売広告社の経営統合により、それぞれの持つメディア・コンテンツ機能を統合して、これまでに例のない「総合メディア事業会社」として2003年に設立。メディア・コンテンツビジネス領域において、プラニング、プロデュース、バイイング、トラフィック、ナレッジといった機能を駆使して、広告主・媒体社・コンテンツホルダーに対して最適な課題解決力を提供している。

メディアガイド2017 (博報堂DYメディアパートナーズ)

執筆者:博報堂DYメディアパートナーズ
博報堂、大広、読売広告社の経営統合により、それぞれの持つメディア・コンテンツ機能を統合して、これまでに例のない「総合メディア事業会社」として2003年に設立。メディア・コンテンツビジネス領域において、プラニング、プロデュース、バイイング、トラフィック、ナレッジといった機能を駆使して、広告主・媒体社・コンテンツホルダーに対して最適な課題解決力を提供している。

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