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リロケーションの特性・行う人の心情
一般的な不動産の売買、あるいは賃貸と、リロケーションとの違いについてご説明しておきたいと思います。
通常、家を買うというのはどういうタイミングかというと、たとえば、それまで賃貸住宅に住んでいたけれども、結婚した。子どもが生まれて手ぜまになるので広い家が欲しい。子どもが大きくなってきて、集合住宅だと近隣の方にうるさいと思われるかもしれない、気にせずに生活したい……といったきっかけが挙げられます。
そのとき多くの人は、いま住んでいる街で探すか、あるいは、ずっと憧れていたエリアに住もう、というふうにお考えになります。いま横浜にいるけれどもいきなり千葉に引っ越そう、といった脈絡のない探し方はほとんどしません。これまで埼玉で暮らしていたけれど、海のある街に憧れていたので、湘南方面に移住したい、というふうに背景があるものなのです。どんな家にするかについても事細かに、できるだけ自分の意見を反映したいと思うのがふつうではないでしょうか。
そうしたタイミングで、突然やってくるのが「転勤」です。私どもの観測では、新居を建てて3年以内に転勤になる方が、非常に多いです。さすがに海外転勤であれば半年前くらいの猶予がありますが、国内であれば2~3週間前に伝えられるということも珍しくはありません。
実際にどんな人が転勤になるかというと、30歳代~40歳代の方が多いです。仕事などが充実してきた時に突然、転勤がやってきます。いまの時代、転勤にNOという方はいらっしゃいません。ほとんどが社命に従って転勤します。
さて、まずは赴任先で住む家を探さねばなりません。いま住んでいる家をどうするかは後回しになりがちです。ですが自分の好みを反映した家。貸す相手が誰でもいいというのはなかなか考えづらいところです。「いつかまたこの家に戻ってくる」という思いを持つのが当たり前ではないでしょうか。
ふつう不動産というのは、なるべく早く、高く売れればいいわけですが、転勤中の留守宅を貸すというのは、自分の思いのこもった住宅を一時的に預けるということです。
自分の好みに合わせて購入した、あるいは建てた家ですから、ただ単にお金を目的として貸そうという方はいない。自分と同じような嗜好を持つ方に借りてもらえるのが一番いいのですが、なかなかそう、うまく出会えるものでもありません。