Advertising Week Asia 事務局長 笠松良彦
1964年生まれ。慶応義塾大学卒業。1992年博報堂に入社し、営業職としてコミュニケーション戦略全体を統括。2001年に電通入社。2005年に、電通とリクルートのジョイントベンチャーであるMedia Shakers代表取締役社長に就任。その後、電通コミュニケーションデザイン・センターを経て、2010年7月にignite 設立。2006年カンヌ国際広告祭メディア部門プロモライオン受賞。2016年よAdvertising Week Asia 事務局長に就任。著書:「これからの広告人へ」 アスキー新書
Advertising Week Asia が東京で開催
いよいよ 5/29(月)~6/1(木)にAdvertising Week Asiaが東京にて開催。昨年の記念すべき第1回目の開催からあっという間の1 年です。今年もさまざまな話題のキーノートやセッションが多数ラインアップされています。
まずはキーノートですが、今年も大変すばらしい顔ぶれとなりました。
SUBARU 代表取締役社長 吉永泰之氏、マッキャン・ワールドグループ グローバルプレジデント ルカ・リンドナー氏、アイソバーCEO ジーン・リン氏、クリスピン ポーター ボガスキー創業者兼会長 チャック・ポーター氏、日本マクドナルド 代表取締役社長 兼 CEO サラ・カサノバ氏、P&G ジャパン 代表取締役社長 スタニスラブ・ベセラ氏、Google グローバル・アドバタイジング担当 マネージングディレクター ダン・テイラー氏、TBWA ワールドワイド 会長 ジャン=マリー・ドリュ氏などなど、まさにキラ星の如き各界のリーダーがこのAdvertisingWeek Asiaに集結します。
また、セミナーやワークショップセッションも、Agency、Mobile、Storytelling、Data、Video、Mar Tech、Innovation、Leadership+Culture という 8 つのカテゴリーで分類された各ステージで、マーケティング&コミュニケーション業界で外すことのできないトピックスが満載となっています。昨年も 8 割以上のセッションが満席か立ち見となっておりましたが、今年はそれ以上の活況が期待されます。
Advertising Week Asia は他のイベントと何が違うのか?
この質問を昨年もたくさんいただきました。例えば、有名なカンヌライオンズは、基本的にクリエーティブの祭典。アドテックは基本的にアドテクノロジーの祭典です。
このAdvertising Week は、2004 年にニューヨークで開催されてから、ずっと“全ての領域・関係者を巻き込む”という点で他と全く違います。従って、デジタルやクリエーティブは無論のこと、従来のマスメディアや、マーケティング、さらには営業といった本来この広告業界の中心で戦ってきた人たちも多数、参加する点が非常にユニークなのです。だからこそ昨年、我々がアジア独自でテーマ設定をするまでは「シングルテーマがない」ことが逆に特徴のイベントだったのです。
Advertising Week Asiaのテーマは何ですか?
しかし昨年、このイベントを初めて日本で実施するにあたり、やはり何かしらのテーマやビジョンがないと関係団体や協賛社への説明にも困るよねという話になったのです。
そこで今回も有志にて構成されている独自の Advisory Councilのメンバーに「アジアを代表して東京で Advertising Week を開催する意義」を何10時間もかけて議論をしました。
その結果、紡ぎだされた言葉が「熱狂を創りだす~The Creativity excites the industry」です。どの業種業界でも革新を起こした裏には必ず Creativity があったはず。またその革新を進めた人達には、理屈だけでない熱い想いがあったはず。
そんな人がたくさん集まって、きれいごとだけではない真のストーリーを共有する場にできたら。そんな想いをこめた言葉です。これはテーマというよりは、ビジョンに近い言葉です。
今回参加してもらうキーノートの方々にも、このビジョンをお話して、ご登壇を了解してもらったケースが多数あります。本来、Advertising Week の主催社側には、このようなビジョンやテーマはありませんでした。ただ、昨年の我々のこの言葉を見て触発されたようで、今年は「unlocking tomorrow」というテーマを掲げています。我々はこの「熱狂を創りだす」を同イベントのビジョンとして永く掲げていきます。
Advertising Week Asia が成功している理由
このようなビジョンのもと同イベントは運営されている訳ですが、成功している最大の要因があるとすれば、それは協賛社の理解です。通常このような商業イベントでは、協賛社は協賛費を出すかわりに、自社の宣伝・アピールの場として活用するのが普通ですが、Advertising Weekは必ずしもそうではありません。協賛社様に対して唯一のお願いとして、「一方的な自社の宣伝はしない」ことがルール化されています。これは非常にユニークな方針です。そのかわりに「来場する全ての人々にとって真に意義のあるセッションにしてほしい」と要望しています。
そのため「出来るだけクライアントや第三者など、客観的にそのセッション内容について議論を深められる人をパネリストとして入れて欲しい」と要望しています。結果、それらのセッションテーマや登壇者名を見た来場者の方々も「これは一方的な宣伝ではないな」「面白そうだ」となり、ほとんどのセッションが満席~立ち見という結果に結びついています。来場者-協賛社-主催社がまさにWin-Win-Win の関係なのです。私が同イベントの事務局長を引きうけた最大の理由もここにあります。このイベントでは全ての参加者が、向かうべき未来について同じ方向を向いて集まっているのです。
フレッシュマン用のパスもAdvertising Week Asiaが初の試み
さらに1つ Advertising Week Asia ならではの特徴が、25歳以下のフレッシュマン向けの特別価格のパスです。これは業界に入った若い人たちに、是非この素晴らしいコンテンツを学びの場としてほしいとの日本側の事務局の想いから、主催社にかけあって日本で初めて導入された特別パスです。
また通常のデリゲートパスも他のイベントなどと比較するとたいへん安く設定しています。これも、よりたくさんの人にこの場に来てほしい、この業界を活性化したいという我々事務局の想いに共感してくれた主催社が了解してくれたことで成立しました。
海外に行かずとも東京で4日間いるだけで良い
その意味では高い渡航費を出して海外に行かずとも、ここ東京でグローバルな知見を一度に得られるこのイベントは全ての来場者にとって非常に費用対効果が高いと思います。
このコラムを最後まで読んでいただいた方々、会社の経費で来られる方も、そうでない方も、絶対に損はしないと思います。ぜひ一度会場に足を運んでみてください。
そしてご自身の目で、耳で「革新を起こした人達」の話を体感してみてください。きっと役にたつと確信しています。
お問い合わせ
Advertising Week Asia 2017
http://asia.advertisingweek.com/