ニューヨーク本社を置くクリエイティブエージェンシーR/GAが東京オフィスの設立を正式に発表した。
R/GA東京の代表としてチームを率いるのは、マネージング・ディレクターの筈井昌美氏。前職は楽天グループで、モバイル戦略部隊のヘッドを6年間務めたのち、次世代戦略を担うCOE部隊を設立、グループにおけるIoT戦略を立案してきた。また同グループ内でAIやAR/VR等の最新テクノロジーを活用したマーケティング戦略を築き、日本におけるスタートアップのエコシステムとも強固な関係を構き上げてきた経験を持つマーケターだ。
エグゼクティブ・クリエイティブ・ディレクターには、電通出身の杉友ジョージ氏が就任した。杉友氏は博報堂でコピーライターとしてキャリアを積んだのち、電通でクリエイティブディレクターを務め、またクリエーティブ・ソリューション・チーム「アンダーバー」を率いるなど、次世代のコミュニケーションプラットフォームづくりに携わってきた。アイソバー・ロンドンやアイソバー・ブダペストなど海外でECDとして勤めてきた経験も持つ。
エグゼクティブ・ストラテジー・ディレクターを務める鈴木洋介氏は、日本、アメリカ、イギリス、東南アジアなどグローバルな舞台で戦略プランニングに携わってきた。電通およびネイキッド・コミュニケーションズで自動車、飲料、日用消費財などの戦略プランニングチームを牽引し、日本コカ・コーラではブランド戦略・クリエィティブ開発およびIMCプランニングを担当してきた経歴の持ち主だ。
R/GAのグローバル・ネットワークからも東京オフィスに複数名が参画する。エミー賞受賞経験のあるエグゼクティブ・プロデューサーのジョン・ヒングストン氏、R/GAニューヨークからはクリエイティブ・テクノロジー・ディレクターの富永久美氏、R/GAロンドンからはグループ・テクノロジー・ディレクターのアントニー・ベーカー氏が新たに東京オフィスメンバーとなる。
R/GA APACエグゼクティブ・バイス・プレジデント マネージング・ディレクターのジム・モフェット氏は、「日本での運営予定を昨年発表して以来、日本のマーケットに最良の方法で対応すべく、最適なリーダーシップチームを組むことに集中してきた。東京でスタートを切る上で必要なインサイトと経験値の絶妙なバランスを併せ持つ、ローカルとグローバル・ネットワークから選りすぐった少数精鋭チームだ」とコメントする。
R/GA東京オフィスは、既存のグローバルクライアントに加え、日本で新規クライアントを今後新たに獲得していく予定。既にいくつかの企業にはアプローチを開始しており、クライアントのデジタルトランスフォメーション、プロダクト/サービス開発、コミュニケーション開発を中心に活動を展開する予定だという。筈井氏は下記のようにコメントしている。
「企業がディスラプションの波に揉まれる市場で、我々が先導の手助けをしていきたい。海外進出を目指す日本のブランドに対して、R/GAはグローバル人材とローカルの専門知識を掛け合わせて提供できる。各企業と今までにない形で協業するR/GA東京独自のスタンスを確立できるはずと考えている」
R/GAは現在世界19箇所にオフィスを持ち、アメリカ、ヨーロッパ、南米、アジア太平洋地域にまたがって事業を展開するクリエイティブエージェンシー。従業員数は世界で2000人を超え、インターパブリック・グループの一員。ベンチャー投資やアクセラレーター、イノベーションのコンサルティングなど、環境変化に合わせて先進的なビジネスモデルを取り入れ、「次世代エージェンシー」のあり方を体現するエージェンシーとして注目を集めている。
R/GAの創業者・会長・CEOで“日本びいき”でも知られるボブ・グリーンバーグ氏は「日本はデザインとテクノロジーの発信地であり、R/GAが長い間進出を待ち望んだロケーションだ」と語る。同社の独自のイノベーション・モデルを持ち込むには理想的な場所であるとし、「東京オフィスを通じて新たな学びを得て、R/GAとしてもさらに進化していきたい」とコメントしている。