市民コピーライターたちが、「東京」をコピーにしました。
■ツボ伝ツイート・優秀作発表
#ツボ伝ツイート、ご存知ですか? 24時間オープン、コピーの投稿ツイッター。宣伝会議グループのマスメディアンが運営して、私がアドバイザーやってます。
大学生や主婦やビジネスマンの市民コピーライターが、日頃の思いを、コピーに込めてツイートします。ちなみに、現在、4700ほどのツイート数、1回のツイートで数本のコピーを書いてきますから推定1万5千くらいの総コピー数でしょうか。手間と脳力がかかるキャッチフレーズの投稿ですから、かなりの数ですね。みなさま、ありがとうございます!とこの場を借りて。
さて、お題は「東京」。間口が広過ぎるかなと悩みもしましたが、その分、いろんな個々人の「思いのたけ」が、カラフルにきらっと出るかなとも考えました。世の中の広告コピーとちょっと違うのは、「目的」がないこと、目的はそれぞれお任せで、とにかく書いてください、あなたの解釈で、あなたの「東京」を、なわけなのです。
優秀作品
この街は、常に満塁だ。(かにざ)
⇒ビジネスマンにはこの感覚わかりますね。エラーでも一点取りたい気分。
楽しむだけじゃ、来ちゃダメだ。 (きむ)
⇒地方出身で、東京に出て来た人にとって、「東京」は特別すぎるほど特別な街なのだと教わりました。みんな夢の途中を、ひたむきに生きています。
向かい風も向きを変えれば、追い風だ。(日本の木村、百選)
⇒確かに、そうだ!がんばれ、風をつかんで進め!と応援したくなります。
夢を返せよ。バカヤロウ。 (na2o kimada)
⇒憧れの東京は、裏切りの街でもあるのです。夢をかなえるステージとして。
ヒトヒトヒトヒトヒトヒトヒトリ。(はちのけつ)
⇒世界でいちばん人口の多い街で、人は時折、いちばん孤独を感じます。みんな動いているのに、自分だけ立ち止まっている感じ。みんな笑っているのに、自分だけ笑っていない感じ。
誰かが残業して灯したあかりを、キレイと言っている。(なかじまたかし)
⇒きらきらと輝く東京のビル街。人の心を動かすその輝きは、働く人たちが灯した、喜びや切なさのひとつひとつの思いの輝きなのですね。
満員電車のなかで、心はガラ空き。(C)
⇒ちなみに、作者は若い女性。心の奥まで沁み渡ってくる、言葉のチカラ。
足音は、響かせなきゃ。(moe)
⇒こちらも、若い女性の作。ハイヒールの、軽やかだけど自分を精一杯、鼓舞して鳴らす音が聞こえてきそう。東京をテーマにしたとき、コピーは自分への応援歌になりました。
この恋を逃がさないために、終電を逃す。(小麦畑)
⇒みずみずしい感性を感じました。普段、広告コピーには感じないもの。短歌のように、日常を切り取り、とどめ置くもの。
ぎゅうぎゅうは嫌いだ。 ぎゅっとされる、が好きだ。(みー)
⇒うーん、なんて素直で素敵なコピーなんでしょう。このコピーの裏側には、東京で生きてゆく孤独の深さが感じられます。
いい都市して、ギラギラしちゃって。(楓)
⇒笑。うまい!おしゃれ!
東京では、カジノよりカノジョがほしい。(甘酢)
⇒やりますねぇ。ユーモアも大切なコピーのセンスだと反省しました。
比べちゃうよね。悩んじゃうよね。
悔しいよね。傷付いたよね。
みんな、頑張っている。君も、私も。
東京の空は、見ている。(空井千明)
⇒実は、東京で生きている人たちへの、応援歌コピーが数多く寄せられました。働くことって。一人で生きているって。恋するって。もっと違う自分になるって。その答えを探しながら生きる街が東京なんだと気付かされました。そして、そんなあなたを、優しく見つめている、東京。みんな、いっしょに頑張ろう!
☆ツボ伝の検索情報
書籍『これから、絶対、コピーライター』(宣伝会議)の公式Twitterアカウント「ツボ伝」。購入した本の写真と 、#ツボ伝ツイートをつけて課題コピーを投稿すると、先生が投稿コピーを添削してくれます。お題は随時変わりますので、「https://twitter.com/tsuboden_twit」プロフィールをご確認ください。
『これから、絶対、コピーライター』
博報堂で、長年にわたりクリエイティブ人材の、採用・発掘・育成に努めた著者が、門外不出であったコピーライターになるための方法を初公開。「コピーライターになる人は、特別な才能や、資格を持っている人?」。そんな多くの誤解を解きつつ、コピーライターのイキイキとした実像を明らかにします。コピーのツボを、例題を解きながら教えてくれる「ツボ伝ツイート」も。就職者、転職者、必読のコピーライター入門、決定版。