金沢工業大学は5月26日、日本企業によるSDGsビジネスの先行事例を選出する「SDGsビジネスアワード」の受賞企業の表彰式を東京・虎ノ門キャンパスで開催した。SDGsとは国連に加盟する193カ国が達成を目指す持続可能な開発目標のこと。
金沢工業大学経営情報学科平本督太郎研究室ではSDGsに貢献する活動に取り組んでおり、その第一弾として、BoP(Base of the Economic Pyramid)ビジネスの有識者団体「BoP Global Network Japan」と連携して、日本初となるSDGsビジネスアワードを創設した。
特に成果を上げているSDGsビジネスの事例を表彰することで、その取り組みを海外に発信する目的で行われている。受賞企業には副賞として、日英表記でのケーススタディ作成を通じた海外への後方支援を受ける権利が与えられる。
大賞を受賞した美容関連事業を展開するフロムファーイースト(大阪市中央区)は、カンボジアでの植林を通じて気候変動による洪水被害の抑制を実現。それと同時に植林した植物から美容商品の原料を作り、同社が買い取ることで現地住民の生活改善を行っており、経営者自らが現地での活動を行っている点などが高く評価された。
また、クロスボーダー賞を受賞した全日本空輸は、社会起業家を応援する人々がマイルの寄付や特定のチケットを購入することで社会起業家が無料で飛行機を利用できるようにするという活動を行っている。一見SDGsとは接点が少ないと思われる業界だが上手く自社の強みを活かした取り組みを行っている点が高く評価された。
金沢工業大学の講師でありBoP Global Network Japan代表理事の平本督太郎氏は今回のアワードについて、「海外の有識者から日本はSDGsにあまり貢献していないと思われているが、実際には優れた取り組みが多く行われている。現在の課題は、海外にどう知らせるか。アワードの副賞として英語表記のケーススタディを作成することで、海外へ発信するきっかけになれば」と述べた。
受賞企業
大賞
フロムファーイースト
エンゲージメント賞
Dari K
エコシステム賞
会宝産業
クロスボーダー賞
全日本空輸
スケールアウト賞
すららネット