「シェア消費」に積極的な10代は、ネットショッピングだってシェアしたい?!
つまり、コスメや普段耳にする音楽などの「一人消費」には徹底的に節約体制で臨み、かたやライブやイベントなどの「シェア消費」に対しては積極的。それが10代の消費傾向と言えそうです。
「一人消費」の究極がスマホのアプリ。10代はスマホアプリに対しては非常に厳しい目で接してきます。まず有料であればその時点で対象外。一方、10代は「シェア消費」に弱いことを見抜いた動きが中国で起きています。中国ではすでに当たり前になりつつありますが、SNS上の強力なインフルエンサーがEC販売する流れが生まれています。“中国版Twitter”と呼ばれる「微博(Weibo)」では数十万人のフォロワーに対して自らのSNSを販路にして洋服の販売を始めているのです。つまり日本で言えば“10代のカリスマ”と呼ばれる、にこるん(藤田ニコル)が直接SNS上でECを始めるようなものです。
中には自分がフォローしているインフルエンサーが突如として洋服の宣伝を始めたら拒否反応を抱く人もいると思います。確かにInstagramなどの自分の感性が強く出るSNSでは拒否反応が現れるかもしれません。ですので、彼女たちはツイキャスを使って生放送を開始し、随時ユーザーからの反応を見て、双方向にコミュニケーションを展開していきます。この空間には拒否反応は現れにくいようです。
中国ではこの方法を使って1人で月間6000万円売り上げるインフルエンサーが登場しているから驚きです。彼女たちの登場によって、ネット上でセレクトショップを展開しているアパレル企業は戦々恐々としています。少し前に「素人の写真がプロの20倍以上の値段で売れる理由」という記事が話題になりました。これと同じことがアパレルでも起きているのです。つまり、プロの店員が洋服のデザインや素材を語り、熱烈に「おすすめですよ」と売り込んでも、インフルエンサーの「これかわいいよ!」のSNS上のポストに負けてしまう現状。
前述したメルカリが10代にヒットしている理由も、欲しいものをいいね!できたり売り手と買い手がコメントで会話できたりと「買い物をシェア」している感覚があるから、と女子高生は言います。店舗が出店している楽天やAmazonではそういった体験は生まれてきません。これからのECショップは、「体験のシェア」が要になってきそうです。
10代の消費と激変するEC動向。引き続き注目です。