こんな人にエントリーして欲しい!
西田:僕らの全員の意見からすれば、「とにかく聴かせてほしい」ということですよね。どんなCMでもつくり手の面白さを、聴き手のプロとして見つけ出しますので、応募してみてくださいといったところですかね。
嶋:いわゆる広告クリエイターとしての技術はもちろんですが、ラジオを一般の人が聴いて面白いと思えるか、というしごく当たり前の視点で審査したいと思います。
西田:声と音と間を聴くのが大好きだという、ラジオ大好きな人間である僕らが新たに価値を付けるといったことを行えたらと思いますね。
嶋:話し手がリスナーを引きつける手法は本当に多彩ですからね。中島みゆきさんは今でもオールナイトニッポンの2部を月1で担当されているんですが、天気予報を自ら読まれるんですよ。聴いている人は中島みゆきさんと同じ時間を生きているんだと感じますよね。とにかく、審査委員の皆さんにはラジオのいちリスナーになったつもりでCMを聴いてもらいたいんですよ。
西田:いい声って言うのは、声質だけじゃなくて、喋り方とスピードと間とか…ぜんぶひっくるめて“ボイス”がいいんですよ。「人間はチャーミングか退屈か、どちらかである」とオスカー・ワイルドが言っているんだけど、チャーミングというのはすごい大事。ラジオで喋っている人は、みんなチャーミングだから聴いてみなよというのと、その声のチャーミングさだけでCMをつくられるのはすごくない?というところと。自分から提案してもっと応募してくれたらいいなと思います。
嶋:別の回の座談会で、「アンダー29」の受賞者に話を聞いたんですが、ラジオをほとんど聴いた経験がないんですよね。そこ、今後radikoに期待したいところですが。
小宮山:でも、それはそれで聴いてみたい気もしますけどね。ラジオを聴いてなかった世代がつくるラジオCMがどうなっていくのか。
西田:不摂生な生活をしている若手クリエイターに言うとすれば、1日15000歩、歩きなさい。そうすると3時間近く歩くことになるので、その時間はradikoでラジオを聴きながら歩きなさい、といったことですかね。
そしたら健康にもなって一挙両得ですよ、ラジオをちゃんと聴いている若い子が少ないから、又聞きで内容を人に喋ってもバレないんだから(笑)。
嶋:朝起きたらまずラジオをつける、といったような気楽さで聴いてもらったりね。
西田:そう、それで“ボイス”のある喋り手と同じように、深みとか意味、流れ、文脈に魅力のある書き手になってもらって、そういった人にラジオCMを書いて欲しいですね。
小宮山:僕もつくれるものならラジオCMつくりたいと思えてきました。どこかでつくれないですかね?それができたら僕も応募してみたいです(笑)。
(ライター:小鷹 裕)