「検索しない」時代 SNS上の展開が鍵を握る
動画メディアが伸長しているもうひとつの理由に、検索欄を使用する機会の減少が挙げられる。
かつては価格を比較する情報サイトや、口コミを集積してランキング形式で評価する女性向けサイトが人気を博していた。しかしその裏側が徐々に知れ渡り、現在はより信頼性の高い情報源が求められている。
そこで今まで以上にユーザーからの関心を集めているのが、Facebookやインスタグラムを始めとするSNSだ。
HowTwoのCOOを務める越塚麻未氏は、昨今の動向を「ユーザー行動がより受動的になっている」と分析する。
「タイムライン上で手軽に動画を見てSNSで購買を完了するユーザーが増加傾向にある。自身がフォローした人物からの情報であれば信頼性が高く、共感もしやすい。ユーザーが動画の視聴から商品購入までできるFacebookは動画サービスを展開する場として価値が高く、HowTwoでは早期からファンの獲得に注力していた」(越塚氏)。
現在「HowTwo」はFacebook上で100万人を越えるファンを集め、数々の商品をヒットさせている。商品を開発したメーカーが、認知度の向上を担うSNSでの展開から、興味を惹く動画コンテンツ、さらにSNS上での購買まで網羅的に繰り広げるのは難しい。
SNS上で拡散させるノウハウを持つメディア運営会社がその役割を担う傾向は、今後一層加速すると予測される。
視聴完了率は平均で8割 ユーザーに寄り添う目線
ユーザーを購買行動に移す魅力的な動画を制作する際、始めに知っておきたいのはそのプロセスだ。
一般的に動画広告を制作するには、まずオリエンテーションを行い、その後、絵コンテを確認する。そして撮影や編集を経て、配信に至る。その経緯は「HowTwo」も変わらない。異なるのは、有名タレントや人気モデル、アーティストを起用し、企画の立案や撮影など、随所でアイデアを導入している点だ。
ユーザーの立場に近い第三者的な目線で商品の価値を捉え、企画化する。そのアイデアを担当ディレクターがしっかり最適な表現に落とし込んでいるため、ユーザーの傾向とプロフェッショナルの技法を組み合わせて動画を展開することが可能なのだ。
また、HowTwo社内にはモデル出身の社員も多く、動画スタジオも完備していることから、迅速でハイクオリティな撮影を行うことができ、スピーディにユーザーからの関心度の高いコンテンツの制作が可能になっている。
さらに「HowTwo」で制作したコンテンツをデジタルサイネージで流すなど、動画の二次利用も可能だ。すでにリアルイベントで活用する企画も進行している。
視聴完了率の平均が8割を超える良質な動画だからこそ、ユーザーからの支持が強く、その利用価値は高いと言えるだろう。
消費行動を喚起する動画広告の可能性
スマートフォンやデジタルサイネージなど、テレビやパソコン以外のメディアで動画を目にする機会は日に日に増えている。
しかしどれほど良質な動画であっても、いわゆる「バズ」が起きなければ、消費者の視界に届く可能性は低い。同社は、動画制作のノウハウを培うと同時に、バズにつながるタイトルのつけ方など、動画コンテンツの展開に関するノウハウも幅広く蓄積している。
そして現在はその実力をいかし、ファッション・ヘア・メイクに限らず、“女性 ”をキーワードに動画広告のさらなる可能性を模索しているという。
「女性は興味関心の幅が広いため、今は知られていない商品でも注目を集める可能性は存分にある。我々のミッションはそれらの商品一つひとつに対し、より質の高いユーザーを集め、囲い込むこと。すでに多数の競合他社が参入しているレシピ系の料理動画分野を除き、ターゲット属性に関わる商品は積極的に動画広告化したい」(植木氏)。
柔軟剤やヘアケア用品を始めとする日用品から、住宅・自動車まで、動画広告によって喚起できる消費行動に限界はない。「HowTwo」は常に先進的な取り組みを導入してきた実績を武器に、今後も日々新たなノウハウを蓄積し、さらなる成長を目指している。
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