マス系とWeb系はさっさとベッド入りなさい。恥ずかしがってないで。

広告業界や企業のマーケティング部署に、まさにいまつきつけられている「デジタルシフト」という課題。クリエイティブディレクターの小霜和也氏は、マスとWebを統合し成果につなげていく設計を、自身の仕事を通じて実践しながら、方法論として確立してきました。その実例と考え方を解説した新刊『急いでデジタルクリエイティブの本当の話をします。』が7月1日に発売になります。本記事では、発売に先立ち、執筆の出発点となった問題意識を著者自身が語ります。

小霜和也(小霜オフィス/no problem LLC. 代表)
Creative Director/ Copywriter/ Creative Consultant

1962年兵庫県西宮市生まれ。1986 年東京大学法学部卒業。
同年博報堂入社、コピーライター配属。1998 年退社。
2017年現在、株式会社小霜オフィス no problem LLC. 代表。
他、著書に『ここらで広告コピーの本当の話をします。』(宣伝会議刊)

 

デジタル広告って、ものすごくヘンテコ。
そう思いません?
僕から見ると、やってることが支離滅裂。
それとも僕がおかしいのかな。

デジタル広告って最先端アドテクノロジーが活用できるんですよね?
精緻なターゲティング。
各種評価スコアが一目瞭然。
スピーディな最適化。
なのにそれを、
「うまく拡散してくんないかな~1千万Viewぐらい行けば話題になってアドタイで記事になるぞウッシッシえっ数万Viewしか観られなかった?まあそういうこともあるかあ~」
みたいな神頼み動画に使ってたりとか。
シュール過ぎませんか。

「これからはデジタルシフトだ!Webでブランディングだ!マスより効率いいコミュニケーション設計だ!ということでテレビCMの10億の予算を削ってWebに300万円回しますんでヨロシク」とか。
ハッキリとスコアが見えて、評価が見えて、改善につながりやすいのなら、そういう鉄板のメディアにこそ大きな予算を投下すべきでは?
経営目線、投資目線で言えば当たり前の話ではないですか。
なんでそう~なるの!(欽ちゃん登場)

…つまり、なんぼアドテクノロジーがどうのと言っても、広告主もエージェンシーもさほど信じてないわけですよ。
じっさいWebでブランディングの成果上がったなんて話はほとんど聞かないし。
でも多くの人が誤解してるように思うのですけど、アドテクノロジーっていろんな数字を見える化してくれますが、だからといって数字を追い求めてPDCA一所懸命回しても売上げ1ミリも上がりませんよ?
観られると買われるはつながってないので。
成果を出すには成果を出すための新しいコミュニケーション設計が必要なんです。
つなぎ役が必要なんです。

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小霜和也(小霜オフィス/no problem LLC. 代表)
小霜和也(小霜オフィス/no problem LLC. 代表)

Creative Director/ Copywriter/ Creative Consultant
1962年兵庫県西宮市生まれ。1986 年東京大学法学部卒業。
同年博報堂入社、コピーライター配属。1998 年退社。
2017年現在、株式会社小霜オフィス no problem LLC. 代表。7月に最新著書『急いでデジタルクリエイティブの本当の話をします。』(宣伝会議刊)を発売。他、著書に『ここらで広告コピーの本当の話をします。』(宣伝会議刊)

小霜和也(小霜オフィス/no problem LLC. 代表)

Creative Director/ Copywriter/ Creative Consultant
1962年兵庫県西宮市生まれ。1986 年東京大学法学部卒業。
同年博報堂入社、コピーライター配属。1998 年退社。
2017年現在、株式会社小霜オフィス no problem LLC. 代表。7月に最新著書『急いでデジタルクリエイティブの本当の話をします。』(宣伝会議刊)を発売。他、著書に『ここらで広告コピーの本当の話をします。』(宣伝会議刊)

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