はじめまして、電通の中川と山脇です。 カンヌライオンズで行われる“Young Lions Competition (通称:ヤングカンヌ)”のPR部門の日本代表として、初めてカンヌに来ています。現地からヤングカンヌについて、3回にわたってレポートします。
本記事「ヤングカンヌ2017:①PR部門事前準備篇」では、国内予選と現地での本戦に向けた対策について中川がご紹介します。来年以降の代表を目指すみなさまに少しでもお役に立てればと思います。具体的な課題と企画は、次の「本戦篇」でご紹介できればと思います。
<<ヤングカンヌPR代表 — レポート>>
ヤングカンヌ2017:①PR部門事前準備篇 – カンヌライオンズ2017レポート
ヤングカンヌ2017:②PR部門本戦篇 – カンヌライオンズ2017レポート
ヤングカンヌ2017:③全部門総集篇 – カンヌライオンズ2017レポート
はじめに、審査結果をお伝えすると、残念ながら今回入賞することができませんでした。審査結果が発表され、ヤケ酒に溺れた翌日20日の朝、ホテルの中庭で朝食を食べながらこの記事を書いています。目が覚めた瞬間、昨日のことが夢だったらよかったのに、時間を巻き戻せたらいいのに、と本気で思いました。
ヤングカンヌについて。
そもそも。ヤングカンヌは、U30の若手クリエーティブ人材の育成を目的としたコンペティションです。世界中から各国代表がペアで参加し、現地で出題された課題に対し、定められた時間内に企画書/映像等を提出し、競われます。全7部門あり、ぼくたちはその中のPR部門の代表として参加しました。
あきらめが悪いといいことがある。
150組以上が参加したPR部門の国内予選は、本戦とほぼ同じルールで実施されます。 企画書はもちろん、プレゼンも英語で行われます。
ちなみに中川も山脇も、ヤングカンヌの国内予選で、それぞれ過去7年間で14回、2人で合計28回、負け続けてきました。
毎年、辛い企画の時間と、ファイナリストにも残らない結果を見て、報われない努力にため息をついてきました。初めてペアを組んだ2010年から7年が経過し、お互いに年齢がヤングの終わりを告げようとしていた今年。これまでの経験と反省を生かして、徹底的に分析・準備をしたうえで国内予選に挑みました。
ヤングカンヌは、ほぼ丸1日で企画から資料作成まで行わなければいけない特性上、スピーディーに企画が決められるかが大きなポイントとなるため、短時間の企画で迷ったときに指針にできる、「企画レシピ」をつくって臨みました。自分たちの企画は評価されうるレベルに達しているのか、複数企画ができた場合にどちらを優先して詰めていくかを判断する材料になります。
「企画レシピ」の具体的な中身は、過去4年分のヤングカンヌ(PR/メディア/サイバー部門を中心に)の本戦と国内予選の企画内容および、過去3年分のPRライオンズの金銀銅受賞作品を収集。すべてを見直し、課題設定/エグゼキューションに分解。それぞれの企画を因数分解してラベリングしたものを、エクセルにまとめて、いつでも振り返れるツールにしました。また、事前に課題を自分たちで設定し、休日を使って、自主的に練習も繰り返し行いました。
150組以上が参加した国内予選も非常に難関、実際のところ参加者数と各チームのクオリティは、国内予選のほうが本戦よりも狭き門かもしれません。今年の国内予選ファイナリストには、昨年の代表の二人が当然のごとく駒を進めていたり、仲のいい同期チームがいたり、他の広告会社やPR会社や制作会社の方々がいたり、と混戦でした。そんな中、28回もの失敗を乗り越えて、代表に選んでいただくことができました。