BenQ の日本戦略、クチコミ効果で製品が品切れになったことも

大切なのはファンにブランド価値を体験してもらうこと

藤崎:現在3カ月に一度、アンバサダーイベントを行っていますよね。

下平:継続を前提に目的は大きく2つあります。ひとつ目は「ブランド価値の見える化」で、2つ目は「BenQブランドの価値向上」です。

まずひとつ目ですが、私たちはファンの方にBenQのブランドを体験できる機会をできるだけ提供したいと考えています。

藤崎:やはり体験してもらうことが大切なんですね。

下平:ポイントはBenQブランドの「楽しさ」や「驚き」をいかに自分の生活と関連付けて体験できるかです。例えば5月に行ったポータブルプロジェクター「GS1」のイベントでは、実際に使うシーンをよりリアルに体験できるように、ハウススタジオを借りて、寝室やキッチン、リビングなどの各部屋で使用シーンを再現したイベントにしました。このプロジェクターは屋外でも使えるので、映像を外で楽しむことを想定して、テントを実際に張って、テントの中で楽しむ体験コーナーも作りました。

※アンバサダーイベントではハウススタジオを借りて使用シーンをリアルに再現した

藤崎:それは楽しそうですね。BenQさんの姿勢は一貫していますね。そもそもBenQの製品がユーザーにいかに「Enjoyment」を提供できるのか、生活を楽しく変えることができるのか、ということを考えてつくられているからなんですね。

下平:そうした企業姿勢と関係していることですが、BenQは新しいテクノロジーを最初に製品に搭載することが多いブランドです。例えば今は、液晶ディスプレイへのHDMI搭載は当たり前になっていますが、最初に搭載したのは弊社なんです。他には21.5型のサイズでフルHD解像度のディスプレイを最初に販売したのも弊社でした。

藤崎:それは知りませんでした。言われてみれば、液晶ディスプレイにHDMI端子がついたことで、ディスプレイといえばパソコン用だったものが、テレビチューナーやDVDレコーダーなどと繋げるようになって用途が広がりました。確かにそれは「楽しみ方の広がり」です。やはり企業姿勢が大切だということなんですね。

次ページ 「クチコミの相乗効果でブランド価値を底上げしたい」へ続く

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藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)
藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)

博報堂 宗形チーム、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODO、アジャイルメディア・ネットワークを経て、現職。
変わりゆく広告の最前線を歩み、ファンやアンバサダーに着目した企業のマーケティング活動に従事し、研究職に。
日本広告学会:クリエーティブ委員、産業界評議員、デジタルシフト準備委員会。日本広報学会会員。WOMマーケティング協議会:副理事長、事例共有委員会。東京コピーライターズクラブ会員。カンヌ・クリエイターオブザイヤー他受賞多数。多摩美術大学、日大商学部非常勤講師。

藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)

博報堂 宗形チーム、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODO、アジャイルメディア・ネットワークを経て、現職。
変わりゆく広告の最前線を歩み、ファンやアンバサダーに着目した企業のマーケティング活動に従事し、研究職に。
日本広告学会:クリエーティブ委員、産業界評議員、デジタルシフト準備委員会。日本広報学会会員。WOMマーケティング協議会:副理事長、事例共有委員会。東京コピーライターズクラブ会員。カンヌ・クリエイターオブザイヤー他受賞多数。多摩美術大学、日大商学部非常勤講師。

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