中高年層に広がるモバイルシフト
調査開始時(注)1割に満たなかったスマートフォンの所有率は、今年77.5%と8割に迫りました。昨年(70.7%)から大きく伸びた要因としては、中高年層(40~60代男女)の所有率の増加があげられます。所有率が最も低い60代女性においても39.6%と4割に近づきました。若年層の牽引によって急速に進んだモバイルシフトは、中高年層にも広がりを見せています。
情報量の過剰感を感じ、確かな情報を求める生活者
メディア定点調査では、2016年より生活者の意識や態度に関する項目を拡充しています。今年、生活者の情報に対する意識の変化が目立ったものをご紹介しましょう。
「世の中の情報量は多すぎる」は昨年から10ポイント近く上昇(2016年:42.1%→2017年:52.0%)し、過半数を超えました。「インターネットの情報は、うのみにはできない」も7.3ポイント上昇(2016年:71.7%→2017年:79.0%)して、約8割の人がネット情報の信頼性に対して疑問を抱いていることがわかります。
また「気になるニュースは複数の情報源で確かめる」が5.3ポイント上昇(2016年:59.1%→2017年:64.4%)しました。一方、最も減少した項目は「情報やコンテンツは無料で十分」で、昨年と比べて6.8ポイント(2016年:46.0%→2017年:39.2%)減少しました。調査の結果から、溢れる情報の中で情報量の過剰感を感じながら、自分にとって信頼できる確かな情報を求める生活者の気持ちの高まりが感じられます。
スマートフォンが普及し、ソーシャルメディアが発達したメディア環境において、生活者にとって「信頼できる確かな情報とは何か?」ということを考えてコミュニケーションを設計していくことが、今メディアに求められているのではないでしょうか。
調査地区:東京都、大阪府、愛知県、高知県
標本抽出方法:RDD(Random Digit Dialing)
調査方法:郵送調査法
調査対象者:15~69歳の男女
標本構成:4地区計 2,496サンプル(東京631、大阪618、愛知618、高知629)
2015年住民基本台帳に基づき性年代でウエイトバックを実施
調査期間:2017年1月26日~2月10日
調査機関:株式会社ビデオリサーチ
新美妙子
博報堂DYメディアパート-ズ
メディア環境研究所