そこで資生堂の動画広告の狙いから、今回の施策について、資生堂ジャパン コミュニケーション統括部の中條裕紀氏とサイバーエージェント メディア事業広告部門 局長の水口舞衣氏に聞いた。
※Nielsen Mobile NetView(2017年3月データ)
動画広告を起点に認知から購買意欲を刺激
中條:デジタル広告の役割が、ここ3〜4年で大きく変化しています。これまでは、当社に自社ECサイト「ワタシプラス」もあるため、購買ファネルで言うと「購入」に近いダイレクトマーケティングの領域をデジタル広告が担っていました。
しかし生活者のメディア接触環境が変化するなかで、現在ではよりファネルの上部にある「認知」や「興味喚起」を促すために活用する動きが加速しています。特に、動画にはテレビCMがこれまで担っていた役割である、生活者とブランドの最初の接点や、ブランドに関心を持ってもらうことを期待しています。私たちの商品で言うと、20〜30代女性向けのコスメやスキンケア商品のブランドで動画を活用したプロモーションを強化しています。
今回は、「SHISEIDO」の新商品で、当社としても初となるクッションファンデーションのプロモーションとして「Ameba」の動画広告に出稿しました。その理由は大きく3つあります。まず1つ目は、20代〜30代女性への圧倒的なリーチ力。2つ目は化粧品特有ですが、購買の後押しになる商品の口コミを活用できる点。そして3つ目が、一度の接点で興味喚起から購入まで辿り着かせられるのではという期待です。
生活者の周辺には多くの情報があふれ、我々が何度も時間をいただくのは難しい状況になってきています。そこで1回の接点で認知から購買まで一気につなげることで、コミュニケーション効率を高めることを狙いました。
口コミを併用した動画フォーマットで利用意向が1.4倍
水口:「Ameba」の20〜30代女性ユーザーを対象に化粧品やコスメの購買状況を調査したところ、CMや動画で商品を知った後に多くの人が検索して口コミを調べたり、店頭でサンプルをもらったりしているという結果がでました。
そこで、動画の配信によってブランディングを実現しつつ、商品に興味を持ったユーザーにシームレスな展開で商品を使用した体験者の口コミを見せることで、さらなる態度変容や行動喚起を促すことができるのではないかと考え、化粧品向けの動画フォーマット開発に至りました。
今回、資生堂さまに実施していただいた「AVA Style for cosmetic」は、自動再生の動画をタップすると、全画面表示で動画の下に、その商品に関するクチコミのブログ記事が表示される仕様です。
さらにフォーマットだけでなく、配信する面についても化粧品や美容に特化した記事面で配信することで、能動的に化粧品に関する情報を取りに訪れている関心の高いユーザーへコンテンツを届けることを目指しました。
中條:「AVA Style for cosmetic」で配信した結果、動画広告だけに接触したユーザーと比較して、動画をタップし口コミ面まで到達したユーザーの商品認知は1.5倍、利用意向は1.4倍とリフトアップに成功しました。
水口:商品の使用感や感想を書いている記事や、使用方法について詳しく紹介してくださっている記事など、切り口の異なるユーザーのリアルな口コミをピックアップし、多面的に情報を補足できたことが効果につながった要因ではと思っています。
中條:これまで当社でもサンプリング施策や動画広告などそれぞれ行っていましたが、点と点の施策をつなげ、ユーザーのインサイトに寄り添った展開というのは新しい発想だと思います。当社としては、今後もブランド領域でのデジタル活用をさらに強化していくつもりです。Amebaさんにも、引き続き20・30代女性のインサイトに寄り添った広告商品の開発を期待しています。
水口:ありがとうございます。インターネットやスマートフォンの普及によって、商品やサービスごとにユーザーが購買までに至るプロセスは多様化しています。20~30代女性や主婦への圧倒的なリーチ力をもつAmebaの規模を活かしつつ、メディアだからこそ持つデータやテクノロジーを駆使し、ユーザーのインサイトを捉えた展開で生活者を動かす広告商品を今後も提供していきたいと思います。
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URL. https://ameba-ad-pr.amebaownd.com/