ヤングカンヌ フィルム部門体験記 — カンヌライオンズ2017レポート

案出しから企画決定まで

比較的考えやすい課題だったため、国内予選の時より案は出せたものの、企画決定までにかなり時間がかかりました。

「オンラインで起きていることを可視化しただけで、100万回も再生されるのかな……」「ダウンロードを禁止してほしいわけではないと言っていたからファンを責めるのはよくないのかな……」「議論が起こる映像ってなんだろう……」などと、オリエン全体に応える案とはどんなものか、悩んでいたら時間がどんどん経ってしまっていました。

結果的に2つの方向性で迷いました。

1つは「お金を払わないファンが増えれば増えるほど、アーティストを苦しめている」という現状をシンプルに描くもの。

もう1つは、「違法ダウンロードする人=音楽好きのファン」としてその人達を一度肯定し、ファンとして今後どうしていきたいかを問うもの。(違法ダウンロードする人達の方がむしろ音楽業界にお金を落としているという記事から考えました。)

オリエンにあるように、議論が起こるような作品を期待されている点から、シンプルでキャッチーな作品より、切り口が被らなそうで問題提起になる作品にしようと考え、最終的に2つめの方向で、「違法ダウンロードする人達に、本当の音楽好きとしての今後の行動を問う」という構成にしました。

出演交渉は道端やお店で。こちらはバーの店員さんたちです。

撮影とアクシデント

提出直前の青木です。

2日目の深夜に撮影の検証、その後コピーを詰める作業と、ほぼ2日間ぶっ通しの状態で、頭の回らなさに気が狂いそうになりました……。しかも、3日目の朝、撮影に臨むときにアクシデントが。お願いしていたキャストが来ない!やっとの思いで撮影した少年の親がプロダクション関係の方で撮影素材がお蔵入りに!もう、なるようにしかならないという心持ちで、なんとか撮影終了。編集に割く時間も3時間くらいしか取れず、滑り込みで提出しました。

次ページ 「結果発表」へ続く

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