Instagramのハッシュタグを活用
こんニクはー!フォーリンデブはっしーです。私は年間800軒以上を食べ歩く中で、さまざまな飲食店の演出に心とお腹を踊らせてきました。今回はそのテク肉(ニック)の一部をご紹介します。
まず、お店の演出を語るにあたり、お店を取り巻く環境を理解しておかなければいけません。新しくオープンしたお店の半数が3年以内に閉店すると言われるほど、飲食業界は競争が激化。人件費や材料費の高騰化で広告にお金をかけにくいものの、ソーシャルメディアで話題化すれば、自然と情報が広がって集客できる時代になりました。
だからこそ、お店側としてはソーシャルメディアにアップしてもらいやすい「ソーシャルメディア受け」する演出に力を入れています。料理はもちろん、雰囲気や接客など、要素はさまざま。飛び道具的に派手なことをすれば良いということではなく、ソーシャルメディアのユーザーが求めていることを意識して、そこをターゲットに演出ができているかどうかが肝心です。
一方、お客側の動向としては、グルメサイト「食べログ」にすべて頼っていた時代は終わり、今の若者たちは「Instagramのハッシュタグからお店を探す」という、新しい流れができています。
「食べログ」で探す時は、点数⇒店名⇒レビュー⇒写真という流れをたどりますが、Instagramの場合は逆で、まずは写真を入口に、それを投稿している人がどのようにコメントしているか、そしてそれを提供しているお店がどこなのか、という順序で探します。これはソーシャルメディアがもたらした情報革命とも言えます。
実際に私自身のInstagramも、2017年6月時点で6万6000人のフォロワーがいる中で、女性が全体の69%、その中で18歳〜34歳が80%を占めることから、トレンドに敏感な若い女子がグルメ情報を収集していることが分かります。
そんなInstagramでは、独自のハッシュタグが活用されていますが、写真に撮ってソーシャルメディアにアップしたくなるフォトジェニックな肉料理として、「#フォトジェ肉」というタグも誕生。ビジュアル抜群の肉写真からお店を探せる、という使い方に役立ちます。フォトジェ肉の一例としては、丼から肉がわざとハミ出ていたり、肉が弧を描いていたり、肉の山で鍋が囲われていたり、光輝く肉の断面がすべて正面に向けられていたり。
挙げていけばキリがないですが、こういったハッシュタグにはソーシャルメディア受けする情報がたくさん眠っている、ネタの宝庫と言えます。だからこそ、飲食店は人気の投稿やハッシュタグを定期的にチェックして、自分たちの演出を考えるというのも手です。
そのようなフォトジェ肉の中でも、最近、圧倒的に「いいね!」を取りやすいのが、肉とウニの組み合わせ。「うにく」や「うににく」という言い方をされますが、肉の赤色とウニの黄色が鮮やかで、食欲をそそるビジュアルが大変好評です。
ラーメン業界では常識だった、動物系と魚介系を合わせることで旨味の相乗効果が発揮できるサーフ&ターフの流れが肉業界にも到来。肉×ウニは、まるでウニが濃厚なソースのように肉と絡み合うという、まずもって「おいしいことが前提」になります。
単に奇をてらっても流行しないので、まずはおいしさを担保したうえで、今まであまり見かけなかったソーシャルメディア受けするビジュアルであることが功を奏しました。
この流れを読むことができれば、お店としては肉×ウニを提供したり、またはインパクトのある動物系×魚介系の新メニューを開発するとか。いつかは、フグだしで食べる黒毛和牛しゃぶしゃぶ、なども登場するのでは、と私は推測します。これも基本的にはお客を楽しませ、ソーシャルメディアに投稿して広げてもらえる「演出」の一部としての料理と言えそうです。
—「お店そのものをネタにするという手法も」「食とは味だけではなく、雰囲気やサービスなども含めた総合的な体験」など、続きは『販促会議』2017年8月号をご覧ください。
グルメエンターテイナー
フォーリンデブはっしー氏
肉を中心にごはんのオカズを求めて全国を食べ歩く、グルメエンターテイナー。BlogとInstagramはグルメ界トップクラスの人気。LINE公式アカウントでは、駅名を送るだけでオススメ店を自動返信するサービスも提供中。