紙の雑誌の可能性を使い切れ!3号連続完売『レタスクラブ』復活の舞台裏

4)「思い込みを捨て、思いつきを拾う」発想の転換
この言葉はテレビで小林幸子さんがおっしゃっていたもの。編集も長くなるとつい、「思い込み」で企画を立ててしまいがちなので「思いつき」を形にするように促した。

例えば、この「思いつき」で実現した企画のひとつが、8月号でのゆるキャラ「カパル」とのコラボレーション。実はこのカパル、料理上手という設定があって、Twitterで「レタスクラブを見てお料理をしているお」とつぶやいているのを発見、「いつでも遊びにおいでよ!」とすかさず話しかけた。そこからTwitter上で会話が盛り上がり、ついに誌面の企画にも参加してもらうことに…。おかげさまで、カパル君の出る号はカパルファンの皆さんからも注目していただいている。

 

販売面での工夫という面では、単行本(『1週間で8割捨てる技術』)をほぼまるまる1冊付録でつけるチャレンジもした。200ページ強の単行本の半分以上が読める「レタスクラブ版」だ。続編の新刊がまもなくKADOKAWAから発売されるということで、実現した社内コラボだ。夏は元々、毎年売り上げの下がる時期。それゆえチャレンジ号と位置づけた。

かっぱのゆるキャラ「カパル」とコラボした8月号。単行本の付録もこの号で。大特集とこうした小さなフックの組み合わせで、「表紙に3つ以上引っ掛かりを作って買ってもらう」ことを意識。

5)広告営業部、雑誌販売部と仲良くした
雑誌はどうしても「営業部、販売部VS編集部」になりがちだ。しかしそれは媒体にとっては非効率。広告営業や販売部のメンバーと互いにニーズと目標を共有して、なるべく多くミーティングを開くようにした。「問題点があるなら改善していこう」と、互いに協力し励まし合う体制づくりに努めている。

6)個人のツイッターアカウントを開設、発信を促した
メンバーのSNSへの苦手意識を払拭するため、Twitter運用講座を開き、実践させた。人気の作家、たかぎなおこさんにメンバーの似顔絵を依頼しアイコンを統一、フォロー側が「集めたくなる」しくみをつくった。

編集部員のTwitter。アイコンは同じイラストレーターさんに描いてもらい統一。現場のこぼれ話などを各自発信している。

7)嬉しいニュースは小さくても共有
ほんの小さな兆しであっても、嬉しいニュースはメンバーに共有。自分たちが評価されていること、期待されている事実を伝え続けた。

 

次ページ 「8)外注化の促進」へ続く

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