ライブ中、顔のアップをあえて映さなかった理由は?
チッチ:頭や肩の上で歌ったりしますね。
澤本:パンクバンドだね(笑)。
ジュンジュン:ひどいよね。最初の頃は何も言わずにお客さんの頭の上に靴を乗せて歩いてたので。絶対ビックリしてると思いつつ、でもファンはうれしいんだよね。
チッチ:うれしそうですね。
ジュンジュン:彼女が面白いのは、普通は「そっち行くよ」みたいな感じで手を掴んだりすると思うんですけど、彼女は何のアイコンコンタクトもなく行くんですよ。本当に準備できてないときに転んだりするもんね。準備をさせてくれないんですよ。
チッチ:そうですね。感情のままに動いてライブしてるので、そうなっちゃうんですよ。
権八:ファンもチッチ来たらうれしいって、触ったりはないの?
チッチ:わからないです。その場で必死なので、相手のことなんて全く考えてないし。考えなきゃいけないんですけど(笑)。だから、触られてるかは全くわからないし、触られてても全く気にしてないので。
アイナ:私は感じます。
権八:何を感じるの(笑)? そういうのを見ていて、アイドルじゃないなと思いました。過激というか、肝が座ってるよね。
ジュンジュン:僕たちはあまり意識したことがなくて、かっこいいこと言うと、今日死んでもいいように精一杯やろうということしか言ってない。
一同:(笑)
権八:本当にかっこいいですよ。僕らが中高生のときはこういう人達はいなかったじゃないですか。リスペクトするような音楽は洋楽や過激なバンドで、一方でアイドルはアイドルで別枠で。かわいいものとして愛でるというかね。今の若い子達はBiSHをかっこいいものとして見てるんじゃないかな。
澤本:いたとしてもグループはいなかったかもね。戸川純は一時期そういう感じだったけど、それが集団でしょ。こっちに飛びこんでくるんだよね。
権八:ライブを見て思ったのは、魅力的な個性のフロントマンが6人いて、それぞれがエネルギーを放射していて、すごいステージだと。Zeppでは2階席から見ていて、顔はよく見えないんですよ。だから、後ろのスクリーンに顔がアップで出ればいいのにとずっと思ってたんですけど、出なくて。ようやくアンコールで『プロミスザスター』を歌うときに急に出たじゃないですか。なんでこれ最初からやらないんだろうって。
ジュンジュン:わかるっす。
一同:(笑)
ジュンジュン:僕も最後まで悩んだんですけど、あれちょっとダサいんですよね。映ってるとそっち見ちゃったりして。僕たちは他の演出もこだわってので、アンコールだけはそれでやりましょうと。本編は僕らの作品だから、作品通りやりましょうと。あとはアンコールだけで使うと、考えてる風に見えるじゃないですか。
一同:(笑)
ジュンジュン:出し惜しみというか、無駄に何かをするというところが僕のやり方の中では重要なところで。
澤本:僕は亀山に『オーケストラ』という曲がいいと言われて、聞いてみたらすごいわけですよ。最近はBiSHの色々な曲を聞いてるんですが、知ったかで友人に「最近はBiSHがいい」と言うと、センスいいと思う人はほぼBiSHを知ってますね。
アイナ・チッチ:うれしい。
澤本:だから、僕もそのぶんステータスが上がった感があって。情報感度が高い方々で、面白いもの、これから来そうなものを知ってる人達が名前を知ってるので、どこまでいくかわからないけど、今後ここでしゃべったことが恥部になると思います(笑)。
チッチ:うれしいです。