デジタルシフト相談室「デジタル系エージェンシーの皆さんのお悩みに答えます」編

さて、どんどんまいりましょう。次は、クリエイティブ職の方からです。お1人目の方は、総合系エージェンシー内のオンライン担当ということですが、お便り(ご質問)いただいたので、ここで紹介させていただきます。

Q:2ステップマーケティングをやっているクライアントの、オンライン広告のクリエイティブ担当者です。

アクイジション領域を担当しているのですが、ここに来て、リテンション領域もやってほしい、との要請がありました。

リテンション領域とは、お試し購入から本品購入への引上げを目的とした、フォローメールやDMの企画、制作です。その領域については、経験不足で充分な知見を持っていないことを自覚しています。また、作業量の増大で人的リソースが不足することが想定されます。どう対処すべきか、アドバイスをお願いします。

 

小霜:ちょっとよくわからないのですが、通常は「お試し」と「引き上げ」はセットで考えるものではないでしょうか。そしてそれをアクイジション(顧客獲得)と呼ぶはずですが…。広告主の定義の仕方が違うのかな。

ダイレクト系は離脱率が激しく、LTV(Life Time Value)を重視すべきだという流れになってますよね。そのために何らかの結びつきを作るのがリテンションかと。そこにデジタルをどう絡めていくかは僕も大した経験がありませんので、何とも言えないです。すみません。

ダイレクトのCRMに長けた方と新しいやり方を開発されてはどうでしょう。人的リソースについては、エージェンシーで受けられない(利益が立たない)部分はクライアント内でやってもらうのが一般的かと思いますが。

Q:映像プロダクションのディレクターを経て、デジタル系エージェンシーでディレクターをしています。制作については経験値があるのですが、動画のKPI設定から効果測定、PDCA運用の部分がわからず。デジタル領域の動画マーケティングの知識を身につける必要を感じています。

 

小霜:何だか不思議な話ですね。だって、デジタル系エージェンシーに在籍しているのなら、運用の知見に長けた人がすぐ近くにいるはずでしょう?そういう人たちと会話をしながらコンテンツの企画制作をすればよいのでは。

Q:小霜さんは仕事の依頼を断ることはありますか?

 

小霜:ご依頼をお断りすることは非常に稀です。どこにどんな繋がりや発展が眠っているかわからないからです。予算のこともオリエンの出来不出来も基本的に気にしません。ただ、あまりにも都合の良すぎる依頼、広告主のことも、僕のメリットも考えていない、ただ他人の茶碗を取り上げたいだけの依頼はお断りすることがあります。デジタル系エージェンシーからのご依頼には、ちょくちょくそういうのあります。

次ページ 「マスとデジタルを行ったり来たりしてるのですが」へ続く

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小霜和也(小霜オフィス/no problem LLC. 代表)
小霜和也(小霜オフィス/no problem LLC. 代表)

Creative Director/ Copywriter/ Creative Consultant
1962年兵庫県西宮市生まれ。1986 年東京大学法学部卒業。
同年博報堂入社、コピーライター配属。1998 年退社。
2017年現在、株式会社小霜オフィス no problem LLC. 代表。7月に最新著書『急いでデジタルクリエイティブの本当の話をします。』(宣伝会議刊)を発売。他、著書に『ここらで広告コピーの本当の話をします。』(宣伝会議刊)

小霜和也(小霜オフィス/no problem LLC. 代表)

Creative Director/ Copywriter/ Creative Consultant
1962年兵庫県西宮市生まれ。1986 年東京大学法学部卒業。
同年博報堂入社、コピーライター配属。1998 年退社。
2017年現在、株式会社小霜オフィス no problem LLC. 代表。7月に最新著書『急いでデジタルクリエイティブの本当の話をします。』(宣伝会議刊)を発売。他、著書に『ここらで広告コピーの本当の話をします。』(宣伝会議刊)

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