丸亀製麺のファンに向けた取り組み「試食部」は、なぜ生まれたのか

お店を借り切っての試食会

藤崎:「試食部」の具体的な活動をお聞かせください。

大洞:一番の目玉は、新商品の先行試食をしていただく活動です。新製品が出る度に行っていて、2017年7月の時点で10回目になります。

ネットから応募いただいた方々は、丸亀製麺試食部に「入部する」と呼んでいて、部員条件は、丸亀製麺のことをソーシャルメディアでつぶやくときに、「#丸亀製麺」「#丸亀試食部」を付けて発信していただくことです。

藤崎:「試食会」はどのような流れで進行するんですか。

大洞:最初にご存じの方も多いかもしれないとは思いつつも、まず私たちのことを知っていただきたいので、丸亀製麺の紹介から始めます。

実は、「それぞれの店舗で、うどんを小麦粉から打っています」とご紹介すると、いまだに驚かれる方がいるんです。私たちとしては15年間継続して伝えてきたつもりなのですが、まだまだ伝わっていないと反省してしまいます。

藤崎:それは驚きです。お店のガラス張りの向こうで打っているのに(笑)。

大洞:そしてダシも天ぷらも、お店で朝からつくっていますとお伝えします。あとはファンのネタになるような、ちょっとしたトリビア的なメニューや食べ方の話をする時もあります。

藤崎:それから、新商品の説明があって試食という流れですね。そもそも丸亀製麺の店舗自体に仕掛けがいっぱいあります。

大洞:そうですね。一番盛り上がるのが、試食前の撮影なんです。

藤崎:どういうことですか。

大洞:「試食部」の部員のみなさんの目標は、ソーシャルメディア上で自分たちがシェアした記事や写真を見た他の人たちから、「ウケる」ことだと思うんです。他の人より早く食べることができて発信して終わりではなく、自分の体験に「いいね!」してくれる数が増えると嬉しいわけです。そのためには、やはり写真の出来など、アウトプットが重要だということになりました。

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藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)
藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)

博報堂 宗形チーム、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODO、アジャイルメディア・ネットワークを経て、現職。
変わりゆく広告の最前線を歩み、ファンやアンバサダーに着目した企業のマーケティング活動に従事し、研究職に。
日本広告学会:クリエーティブ委員、産業界評議員、デジタルシフト準備委員会。日本広報学会会員。WOMマーケティング協議会:副理事長、事例共有委員会。東京コピーライターズクラブ会員。カンヌ・クリエイターオブザイヤー他受賞多数。多摩美術大学、日大商学部非常勤講師。

藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)

博報堂 宗形チーム、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODO、アジャイルメディア・ネットワークを経て、現職。
変わりゆく広告の最前線を歩み、ファンやアンバサダーに着目した企業のマーケティング活動に従事し、研究職に。
日本広告学会:クリエーティブ委員、産業界評議員、デジタルシフト準備委員会。日本広報学会会員。WOMマーケティング協議会:副理事長、事例共有委員会。東京コピーライターズクラブ会員。カンヌ・クリエイターオブザイヤー他受賞多数。多摩美術大学、日大商学部非常勤講師。

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