丸亀製麺のファンに向けた取り組み「試食部」は、なぜ生まれたのか

「写真の撮り方」と「ブログのタイトル」講座も

藤崎:確かに写真は重要ですよね。今はスマホで誰でも写真が撮れるとはいえ、みんなが写真撮影が得意だとは限りません。

大洞:ソーシャルメディアやブログで使う写真も、スマホで撮影するという人が増えています。でも食べ物の場合、写真が「おいしそう」に見えることが重要なんです。

ハッシュタグを巡回している時に、「ああ残念。この写真はもうちょっとこっちのアングルから撮れば」という体験がありました。せっかくだから新商品の魅力を引き出すように撮ってもらいたいと思うようになり、試食会の時に、上手に撮れる写真のテクニックを伝えられないかと考えました。

藤崎:うどんの知識だけでなく、写真の知識も一緒に知ってください、ということですね。それは面白いです。

大洞:はい、今は恒例になっていて試食の前に「今回の商品の魅力はこの部分なので、こう撮るときれいに見えますよ」と、プロのブロガーに指導してもらっています。レクチャーはほんの10分程度ですが、写真講座を始めてから、みなさんが写真への意気込みとクオリティが格段に上がりましたね。

藤崎:写真を習う機会はなかなかないですからね。

大洞:驚きましたが、参加者の方に感謝される結果になりました。「ありがとうございます、わたしのインスタ、今回ものすごく『いいね!』が増えたんですよ」と。試食会後のアンケートでも、必ずベストコンテンツの1・2位に上がっています。

藤崎:情報発信をする人は、向上心の強い方が多いです。素直に学ぶ姿勢がありますよね。

大洞:そうなんです。試食会で集まると、みなさん「今日も頑張ります!」って言っていただけます。

次ページ 「食べ物には「顔」がある。だから「うどんの顔」を大事して欲しい」へ続く

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藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)
藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)

博報堂 宗形チーム、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODO、アジャイルメディア・ネットワークを経て、現職。
変わりゆく広告の最前線を歩み、ファンやアンバサダーに着目した企業のマーケティング活動に従事し、研究職に。
日本広告学会:クリエーティブ委員、産業界評議員、デジタルシフト準備委員会。日本広報学会会員。WOMマーケティング協議会:副理事長、事例共有委員会。東京コピーライターズクラブ会員。カンヌ・クリエイターオブザイヤー他受賞多数。多摩美術大学、日大商学部非常勤講師。

藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)

博報堂 宗形チーム、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODO、アジャイルメディア・ネットワークを経て、現職。
変わりゆく広告の最前線を歩み、ファンやアンバサダーに着目した企業のマーケティング活動に従事し、研究職に。
日本広告学会:クリエーティブ委員、産業界評議員、デジタルシフト準備委員会。日本広報学会会員。WOMマーケティング協議会:副理事長、事例共有委員会。東京コピーライターズクラブ会員。カンヌ・クリエイターオブザイヤー他受賞多数。多摩美術大学、日大商学部非常勤講師。

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