「肯定」よりも「受容」が大切。怖さも受け入れる“闘う哲学者”の生き方(ゲスト:村田諒太)【前編】

疑惑の判定…エンダム戦について

村田:みなさんこんばんは。プロボクサーの村田諒太です。今、13戦12勝1敗9KO の戦績でプロボクシングをやっております。最近では、「闘う哲学者」などと言われますが、今日の放送ではそういったところも少し見せられればいいかなと思ってます。よろしくお願いします。

澤本:バッチリだね。計算したような。

中村:ここまでバッチリはなかなかないですよ。

権八:しかも何秒か余らせましたよ。すごい。

村田:ちょっと今ドヤッてます(笑)。

中村:まず聞きたいのは、5月20日に有明コロシアムであったWBA世界ミドル級王座決定戦のエンダムとの対戦で、疑惑の判定がありました。これは完全に村田選手が押していたのに、ちょっと判定が微妙なんじゃないかということで判定をした人も処分されて。実際のところ、村田選手は判定が出た瞬間はどう思ったんですか?

村田:実はあまり何も思ってなかったんです。判定は僕がやることじゃないので、出た結果を受け入れるしかありません。アクションの起こしようもなかったのが正直なところですね。判定をするのは第三者で、その仕事をする人がいるわけなので、どちらかというと考えられなかったという感じです。俺が勝っていた、負けていたと第三者的に見ていたわけじゃないので、そこに関しては何とも思わなかったですね。

権八:村田選手、そのときのことに関してお便りをいただいています。

東京都 ラジオネーム「バローロのんたろう」
澤本さん、権八さん、中村さん、こんばんは。いつも楽しく聴いています。村田選手に質問です。前回の試合で判定を聞くときに何か嫌な予感がしたとおっしゃっていましたが、それが当たりました。予知能力ではないかと思うんですが、日常生活でも他に何か予感したことが現実になることはあるのでしょうか?

村田:いや、そんなことはないですね。ただ、雰囲気ってあるんですよ。ジャッジを集計したときに雰囲気を感じるわけです。試合内容を見ていただければ、地元でそういう判定というのはなかなかないことだと思うので、「え?」みたいな雰囲気は感じていました。だから、そこで感じただけであって、予知能力というようなものではないですね。

権八:すみません(笑)。

村田:ザワッとしてるような、嫌なシーンとした雰囲気があったので、なんでかな?と思ってたんですけど。

中村:そのとき、澤本さんも会場でご覧になってたんですよね。やっぱり、えー!?という感じでしたか?

澤本:すぐ横で拝見していました。ずっとリングに注目していて、そのときは一瞬ポカンとした感じでしたね。

中村:村田選手は死闘を終えた後だったので、そこは考える余白はなかったと思いますが、その後、まわりの人がいろいろと言ってきて、ようやくわかってきた頃には再戦の話がはじまっていたという状況ですか?

村田:再戦自体は全く決まってませんし、幸いなことに自分の実力はある程度、こういう形ではありましたけど、世界にも示すことができました。そういう意味で、他の団体からも声をかけていただいているので選択肢も広がっていて、悪いことばかりじゃないですね。その中でマネージメントをしてくれる会長やトップランクという会社が決めてくれたら、いつでも、誰とでも、どこでもやるという気持ちでいます。

澤本:試合終わってすぐの頃はボクシング自体を続けるかどうかもわからないとコメントされてましたよね?

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