第二部:「Web広告の効果を最大化させるためのオフライン広告活用 —間接効果の可視化と活用—」
【登壇者】
・ソフトバンク コミュニケーション本部 デジタルメディア統括部 統括部長 藤平 大輔氏
・サイカ 代表取締役CEO 平尾喜昭氏
第2部は、ソフトバンクの藤平氏が登壇し、ソフトバンクの広告戦略について紹介した。ロボットのペッパーや、IBM社のワトソンを導入するなど、最先端のテクノロジーを導入している企業だが、そんな同社にとってもテレビCMの重要性は大きいという。
「最近、歌手のジャスティン・ビーバーを起用したテレビCMで、広告好感度ナンバー1を奪還できました。競争の激しいビジネスモデルのため、テレビの影響力は強い。ただし特に10代にテレビCMが届きづらい状況になっていため、まさにデジタルマーケティングの力が求められている」
そこで重要になるのが、データの活用だ。テレビCM、Webサイトの閲覧状況、Web広告閲覧、店頭での購買履歴などのデータを統合したプラットフォームをつくり上げた。
「ユーザーデータを一元管理・分析することが可能になり、効率的な広告配信ができるようになりました。ダッシュボードで可視化させることで、各施策やメディアの動きを時系列で理解できるようになりました」
CMとデジタルの両者を連携させた施策を練ることが大事という藤平氏。その言葉どおりに、新しいターゲット層を狙うCMもテレビで放映する前に、スマホユーザーをターゲットにしたプレ配信を行ったという。
「たとえばユーザーをセグメントしてプレ配信する。そこでの反応を実際のテレビCMのプランニングに活用します。オンライン施策では、あらゆるパターンを想定して、まずは実験的にチャレンジするようにしています」
そんな同社が今回、サイカの統合データ分析ツール「マゼラン」を導入した経緯は、同業他社との差別化を図るためだったと振り返る。
「競争が激化する中、従来どおりの分析をしていては他社に負けてしまう。とはいえ、膨大なデジタルデータをすべて人が分析することは限界を迎えていた」
ただし大事なのは、マーケティングのダッシュボードを導入するだけではないとも警鐘を鳴らす。
「マーケターの役割は、データ同士の相関から次の打ち手につながる仮説を立てること。分析結果からストーリーをつくれなければいけないのです」
デジタル時代に入った今、マーケターに求められるのは、数字に向き合い仮説を立て、方針を決める力だと藤平氏は述べた。
第3部 講演:45日で実現できる統合アトリビューション分析
【講演者】 サイカ 代表取締役CEO 平尾 喜昭
第3部は、サイカの平尾氏による講演。分析ツールの「マゼラン」を操作しながら、データ分析のポイントを説明した。これまで平尾氏が、クライアントから聞いた中でも特に多かったのは、広告施策の統合的な評価ができないという声だったという。
「特にテレビCMなどの認知系の施策の効果が分からないために、最終的なコンバージョンが伸び悩んでしまう。または、効果が分からない施策に、広告費を投下してしまう。そうした事態を解決するためにつくったツールが『マゼラン』になる」
データへのアプローチは、多段での重回帰分析を採用した。
「個人情報の取り扱いがますます厳しくなる中、個人データは取得しにくくなっている。そこで、われわれが選んだのが相関ベースのアプローチ。これにより、マーケット全体を俯瞰して分析できるようになった」
その結果、オンとオフの統合データの中から、キャンペーンの成果にテレビCMが与えた影響、Web施策が与えた影響といった純粋なデータを取り出せるようになった。
マーケターは思考するための生き物と語る平尾氏。だからこそデータ分析は、できるだけ自動化ツールにさせ、思考するための時間を飛躍的に増やせるような環境を実現しなければいけないと語り、講演を締め括った。
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