また、こうも述べています。
「CFOは『お金に繋がること』に全て口を出すのです。会社の中でお金に繋がらない、関係のない経営活動がありますか?」
とても明快な回答です。そして、私は「CMOとは何か?」についても全く同じようなことが言えると考えています。すなわち、
「CMOとは、マーケティング本部長+経営企画室長です。CMOは『“顧客”に繋がること』に全て口を出すのです。会社の中で“顧客”に繋がらない、関係のない経営活動がありますか?」
CFOとCMOの使命と役割を整理すると図2のようになります。両者を比べると、CFOが資本市場に対する視点が強いのに対して、CMOは“顧客”に対する視点が強いことが、よくわかると思います。
つまり、“お金”にまつわる全てを司るCFOと、“顧客”にまつわる全てを司るCMO。この両者がタッグを組むことで、お金だけにも“顧客”だけにも偏らない、バランスの取れた意思決定ができると私は考えています(事実、米国企業ではそういう経営体制を取っている会社が多いのです)。
私はファイナンス分野については門外漢ですが、専門家の方々によれば、日本においてはまだまだCFOという職位についての理解が浸透しておらず、本来のCFOの役割を果たしているプロフェッショナル人材は少ないそうです。また、CFOという呼称こそ用いていても、実態としてはいわゆる財務本部長の役割しか担っていないことも多いそうです。
しかし、おそらくCMOについては、それ以上に理解が浸透しておらず、プロフェッショナル人材ももっと不足しているのではないでしょうか。
日本企業にCMOの概念が浸透してマーケティング力が底上げされれば、もっとグローバルでの競争力を高めることができるし、成熟した国内市場においても様々な新しい価値を創出できるはず。私はそう信じています。
そのためにも、様々なプロジェクトを通じてクライアント企業をご支援させていただくとともに、私が所属しているマーケティング専門のコンサルティングファームである博報堂コンサルティングの仲間たちと切磋琢磨しながら、マーケティングに関するナレッジを今後も蓄積させていきたいと考えています。
その一部を、今回は9月15日の「マーケティング組織変革推進講座」にて具体的にお話しさせていただく予定です。
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