無数の配信パターンの検証が新たなインサイト発見につながった
市川:Supershipでは、ソーシャルネットワーク広告の配信をリアルタイムで自動最適化するソリューション「adgo」のパートナーとなり、独自機能の開発と導入支援を始めました。その第1号がコネヒトさんの運営する「ママリ」です。
山口:「ママリ」では妊娠や子育てをテーマにした情報メディアと子育てママのQ&Aコミュニティアプリを展開し、FacebookやInstagram、LINEなど、ソーシャルメディアの公式アカウントでも積極的に情報発信を行っています。これまでも広告を活用して順調にユーザーを伸ばしてきましたが、さらなる新規ユーザーを獲得するには、より緻密なターゲティングに基づく広告の配信が必要と考え「adgo」の導入を決めました。
市川:消費者が多くの時間をスマートフォン、さらにはソーシャルメディアに費やす中、ソーシャルネットワーク広告の活用は必須ですよね。ただ、「ママリ」のようにすでにターゲット層の中でカテゴリートップに近いシェアがある場合、さらなる拡大のためには多くのパターンによるテストから導き出したターゲティング配信が必要となります。山口さんからは「実際にそれを人の手で行うのには限界を感じている」というご相談を受けていました。
キム:「adgo」は金融トレーディングのオートメーション技術に基づくアルゴリズムを応用して開発したソリューションです。金融取引という秒単位での最適化と正確性を必要とするシステムとAIを組み合わせることで、ソーシャルネットワーク広告の配信におけるターゲット属性、訴求軸、クリエイティブ、配信時間など、無数ともいえるキャンペーン設計に対応することが可能になっています。
市川:導入でどんな成果がありましたか。
山口:CPAを約10%改善しながら、これまで仮説検証に費やしていた労力は3分の1程度にまで削減されました。また、多様なパターンでのテスト・検証によって「ママリ」に興味を持つユーザー属性について新しいインサイトを得られたことも大きな成果です。
例えば、今までは訴求軸として認識していなかった「犬や猫などのペットに関するコンテンツ」が、潜在ユーザーに響くことが分かりました。こうしたインサイトは社内で共有し、リスティング広告の制作やコンテンツづくりにも生かしています。また広告配信に関わる作業量が大幅に削減できたので、新しい広告施策にチャレンジしていくことができそうです。
キム:Supershipとの連携で、今後は「adgo」をDMPと接続させていきます。検証結果とデータの掛け合わせでさらに精度の高いターゲティング配信が可能となり、CPAの改善にもより貢献できるでしょう。
DSP、SSP、DMPなどの広告配信プラットフォームの開発・提供、運用までをワンストップで行うKDDIのグループ会社。2016年度の売上高は235億と、前年比160%で急成長中。スマートフォン領域での最大規模の顧客接点とデータ利活用により、クライアントのデジタルマーケティングにおける課題解決を推進する。
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