アムステルダムの中心にある「ファブラボ」で起きていること

「市民がクリエイター」のアムステルダム

さて、それでは実際にはどんなことが行われているのかをご紹介します。ワーグソサエティには、現在7つの主要なラボがあります。「Creative Care Lab」「Creative Learning Lab」「Future Heritage Lab」「Future Internet Lab」「Open Design Lab」「Open Wetlab」「Smart Citizen Lab」の7つです。それぞれのラボの中では、複数の独立したプロジェクトが行われており、現在は、約60人くらいが参加しているようです。

ファブラボとして使用される計測所内部。

ヨーロッパユニオンや、オランダ以外の国とコラボをしているプロジェクトも数多くあるようで、中にはワークショップなどを通じて、多様なバッググランドを持っている市民が参加できるプロジェクトもあります。

この辺は、今や世界一多様性があり、自由と寛容の都市と言われるアムステルダムらしさを感じるところでもあります。

そう、まさにクリエイターなら、思わずヨダレが出てしまうような、プロジェクトがショーケースには並んでいます。しかも、それらのプロジェクトは、ショーケースに並んでいるだけではなく、誰もが参加できたり、その成果を使用することができるのです。

ここで現在、オランダの誇るテック系大学であるデルフト工科大学の修士の学生で、ワーグソサエティでインターンとして大活躍している木原さんに話を聞いてみました。

「さまざまな分野の専門家が集い、未踏領域を開拓するギルドのような場所です。毎月2回行われる定例会では全てのラボの報告が行われます。メンバーには、脳波から教育の専門家までいるので、様々な角度から議論がヒートアップします。多様性によって生まれる視点が新たなプロジェクトの立ち上がりに繋がることもあります。私が所属するラボも法律の専門家や、元ゴーストライターなど多様なメンバーに囲まれて仕事をしています」

ファブラボで月2回行われる定例会の様子。

このように多様性が新しい価値を生み出し、参加者全員がクリエイターである、という雰囲気はまさにアムステルダム的でもあります。

次ページ 「クリエイターならではの着眼がビッグビジネスへ」へ続く

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吉田和充
吉田和充

吉田和充(Creative Business Development/Branding Designer/Creative Director/保育士)
1972年東京生まれ。1997年慶應義塾大学卒業後、博報堂入社。CMプランナー/ディレクターとして、40社、400本以上のCM制作を担当。ACCグランプリ、コピー賞などを獲得。
在職中に1年間の育児休暇を取得し、家族でアジア放浪へ。2016年、子どものクリエイティブな教育環境を重視してオランダへ移住。2017年現在、Neuromagic Amsterdam BV CEO、個人事務所SODACHI CEO、STYLA TOKYO クリエイティブディレクター。広報広告全般からマーケティング、企業の成長戦略策定、ブランディング、新規事業立ち上げ、新商品開発、Web制作、サービスデザイン、海外進出などクリエイティブ業務全般を担当。
アムステルダム市との協働プロジェクトとして、アムステルダム市の「粗大ゴミの処理問題」にも取り組む。
元サラリーマンクリエイターの海外子育てブログ『おとなになったらよんでほしい|おとよん』連載中。

吉田和充

吉田和充(Creative Business Development/Branding Designer/Creative Director/保育士)
1972年東京生まれ。1997年慶應義塾大学卒業後、博報堂入社。CMプランナー/ディレクターとして、40社、400本以上のCM制作を担当。ACCグランプリ、コピー賞などを獲得。
在職中に1年間の育児休暇を取得し、家族でアジア放浪へ。2016年、子どものクリエイティブな教育環境を重視してオランダへ移住。2017年現在、Neuromagic Amsterdam BV CEO、個人事務所SODACHI CEO、STYLA TOKYO クリエイティブディレクター。広報広告全般からマーケティング、企業の成長戦略策定、ブランディング、新規事業立ち上げ、新商品開発、Web制作、サービスデザイン、海外進出などクリエイティブ業務全般を担当。
アムステルダム市との協働プロジェクトとして、アムステルダム市の「粗大ゴミの処理問題」にも取り組む。
元サラリーマンクリエイターの海外子育てブログ『おとなになったらよんでほしい|おとよん』連載中。

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