AI-CD βが導き出した「マジパン」のためのディレクション
「MV先行型 楽曲制作プロジェクト」の最初のステップとして、クリエイティブディレクションの精度を高めるべく、過去の音楽(アーティスト)関連のCMに追加でタグ付けし、データベースを強化。
その後、通常のCM制作業務と同様に「マジカル・パンチライン」をCMにおける商材と見立て、プロデューサーの島村さんに対してヒアリングを実施しました。そこで得た情報を「(プロジェクトの)ゴール」「訴求内容」「ターゲット」など、「AI-CD β」のブリーフィングフォーマットに当てはめ、データを入力し、クリエイティブディレクションをアウトプットするための一連の準備を行いました。
そうして「AI-CD β」が、マジパンのために導き出したクリエイティブディレクションは、「【狩猟本能】を、【学園】モチーフで、【擬物化】を使い、【アンニュイ】なトーンで、【ドキッとする】映像で伝えろ。」というもの。
このクリエイティブディレクションをもとに、私たちMcCANN MILLENNIALSチーム、ポニーキャニオンチーム、そしてMVの映像ディレクター・川島直人さんと一緒に、映像のストーリーを構築していきました。
通常であれば、クリエイティブディレクターとディスカッションしながらディレクションを解釈し企画を膨らませていくのですが、「AI-CD β」の場合は議論することができないため、与えられたディレクションからなるべく外れないよう、その制約の中で企画を進めることになります。
今回は、コミュニケーションコンセプトである「狩猟本能」の扱いが非常に難しく、ストーリーの中で他の4つのタグ(要素)と整合性をとろうとすると、ついつい人間が少しズラした内容に解釈してしまいそうになるのを必死に補正するという作業が求められました。
しかも、今回はこれまでに制作してきたCMではなく、MVであるというさらに大きな制約も重なり、企画作業は難儀を極めました。ここでも大きな問題にぶち当たったのです。
それは、楽曲がない状態で、いかにして”ミュージック”ビデオにしていくのかということ。全員で頭を抱え、悩みに悩んだ末にたどり着いた答えは2つ。
ひとつ目は、BPM(=楽曲のテンポ)を最初に決めて、事前にクリエイティブディレクションに沿ったダンスを振付師さんに考えてもらうこと。
そして2つ目は、過去の楽曲をいくつかピックアップし、歌っているニュアンスを残しながら口元を隠したリップシンク(=歌っているシーン)を撮影するというものでした。こういった四苦八苦している姿は、映像コンテンツとして公開中なので、もし良ければそちらもご覧いただけると嬉しいです。