「某テレビ番組を1億円で買い取りできませんか?」この国は広報発展途上国だ!

かつては放送局で土下座をしている広報がいた

最近、ボクはテレビ番組が買えるという常識を取り除きたいので、「そんなことは交渉の余地はない」「無理」「そんな慣習はないですよ」と伝えている。

広報の役割は情報を伝えることである。とボクは思う。「メディアが興味を持つと想像される情報」を提案するのが仕事だ。その連続だと思う。釣りと一緒だ。餌を変えながら食いつくまで頑張るのだ。

今から20年以上前、放送局の制作現場で土下座をしていた広報もいた。「お願いします。取材されないと社長に怒られるんです」という場面を見たことがある。その時ボクは思った。「お願いされてもなあ」と。恋愛も一緒だ。「お願い」されて交際が始まったり結婚したりするバカはいない。「結婚しないと親に怒られるんです」と土下座しても結婚してはしてもらえないだろう。きっと。

広報もそんなニュアンスと一緒だ。「金払うから交際してくれ」「金払うから結婚してくれ」というのは現代社会においておかしい。歴史的に見れば、政略結婚や経済的背景を目的にした結婚はないわけではない。だが、今は21世紀だ。

広報も一緒だ。お金で買える時代はとっくに終わった。その昔は結構あったことは事実だ。その名残が今も伝説として残っているのだろう。

報道番組や情報番組は買えない。少なくともボクはそう思っている。

1億円で無理なら3億円で!……頼むからそんなことは言わないでほしい。金額の問題ではない。広報は、メディアに金を払うのが仕事ではない。情報を提供するのが仕事だ。

この国はまだまだ、本当に広報発展途上国である。

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野呂 エイシロウ(放送作家・戦略的PRコンサルタント)
野呂 エイシロウ(放送作家・戦略的PRコンサルタント)

学生時代からマーケティングに従事。
テレビ番組の構成をしつつ、CM制作やPR活動にもかかわるようになり、
外資系・大手企業を中心に50社以上をコンサルティングを行う。
マスコミ側からの視点で斬新なアイデアを提案し、
数多くの業界世界No.1企業のコンサルティングで結果を残す。

Twitter、フェイスブックなどのSNSを通じて、
コンサルタントや講演依頼されることも特徴の一つ。

著書に『終わらす技術』(フォレスト出版)
『テレビに出て売り上げ100倍にする私の方法』(講談社)、
『プレスリリースはラブレター』(万来社)がある。

野呂エイシロウOfficial Site: http://www.noroeishiro.com/

野呂エイシロウfacebookページ: http://www.facebook.com/eishiro.noro

戦略的広報・PR研究所: http://www.facebook.com/PRnoro

野呂エイシロウTwitter: @noronoro093

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