NetflixではLGBTQが自然に描かれている
日本のテレビでは、セクシュアルマイノリティが描かれることは少ないでしょう。一方で、欧米ではどうでしょうか。
映像ストリーミングサービス「Netflix(ネットフリックス)」は世界中で1億400万人以上が利用しています。LendEDUによる調査では、ミレニアル世代の54%の人が家族や友人と共有でアカウントを保有していて、34%の人が自分自身のアカウントを保有していると回答しています。とくにミレニアル世代に人気があります。海外メディアにおいてもミレニアル世代とNetflixはよく一緒に持ち出して言及されています。
Netflixが高く支持されている理由はいくつかありますが、良質なコンテンツ力もその一因です。ハリウッドを代表する制作陣とともに、オリジナルコンテンツを制作しています。そしてそのオリジナルコンテンツには、ほとんどと言っていいほど、主役、主役の友人レベルでセクシュアルマイノリティが登場します。
刑務所内の人間模様を描いた「Orange Is the New Black(オレンジ・イズ・ニュー・ブラック)」の主人公はもともとレズビアンで、現在は男性と婚約しているバイセクシュアルです。ティーンに人気な歌手・女優であるセレーナゴメスが制作総指揮をしたことでも有名な「13の理由」という作品では、主人公の親友がゲイであり、登場人物にもゲイの両親を持つレズビアンの女の子が登場します。
アメリカの32%はLGBTQを自認している、もしくは既存の性役割に当てはまらないと言います。Netflixで描かれるセクシュアルマイノリティは自分に投影できるものであったり、身近な友人に近しい、自分たちの生活に馴染んだ存在なのです。
Tinderは37種類のジェンダーを用意
ミレニアル世代に人気のデートマッチングサービス「Tinder(ティンダー)」。世界196カ国、5000万人以上が使用しています。今まで男性or女性という2択で性別を選択していたものの、より多くのジェンダー、セクシュアルマイノリティに対応すべく、37種類ものジェンダーカテゴリを用意しました。もはやLGBTQでも、LGBTQIAでもありません。
性別に縛られないユーザーが不適切に通報され、アカウントが凍結してしまったという出来事があり、機能改善に至ったのです。Tinderは、以下のように宣言しています。「誰も、ジェンダーのためにTinderの利用を停止されることはありません。これまでは、多様的な共同体のために役立つ、適切なツールがありませんでした。しかしそれが今日から変わるのです」。
日本のテレビコンテンツは「私たち向け」ではない
日本におけるミレニアル世代も、インターネットにて海外と簡単に繋がっており、国内、国外の壁を気にせず毎日情報を得ています。思想や価値観なども、日本での固定観念に縛られることはありません。
私もNetflixをよく利用しており、テレビをほぼ見ていない生活をしています。Netflixのコンテンツのほうが、LGBTQなどを自然に描き、多様性を感じます。フェミニズムなどを色濃く感じるコンテンツも多く、「私たち向け」であると認識しているのです。一方で、フジテレビに登場するキャラクターや、オネエタレントだけをわざわざ多用するテレビ番組は「私たち向け」ではありません。
セクシュアルマイノリティに限った話ではありませんが、現代の若者の思考性をキャッチアップしない限り、ミレニアル世代はますますテレビから離れていくでしょう。わざわざ見る必要がないと感じているのですから。