「地味にスゴイ!番宣」と題したプロモーション企画
品川駅イベントスペースに展示されたのは、ドラマの主人公である校閲者のシンボル“赤鉛筆”だ。しかし、ただの赤鉛筆ではなく、鉛筆彫刻家の山崎利幸氏によって直径6ミリの芯に「番組タイトル」や「キャスト」、「あらすじ」などの番組情報が彫刻された作品になる。
1文字につき3時間、全体で312時間の制作時間を要したという本作品は、InstagramやTwitterなどSNSを中心に情報が拡散され、品川駅利用者を中心に番組への興味喚起に繋がった。
今回の企画は、その場に来ることができない生活者にまで情報が届くように、次の3点を工夫して実施された。
1点目は、展示現場で見た人が写真を撮って拡散したくなる雰囲気をつくることだ。イベントスペースという大きな空間の中に貴重な作品を展示することから、照明やポールパーティション、警備員の配置、案内看板など、まるで美術館のように仕上げた。こうした空間から非日常な体験と驚きが醸成され、広く拡散された要因となった。
2点目は、テレビ番組に出演する俳優にも赤鉛筆アート(現物)を見てもらい、その反応を収めた動画を作成し、日本テレビ公式YouTubeで公開したことだ。
出演者は、実際に自分の名前が彫られた赤鉛筆を目の前にし、「すごいね。まさに地味にスゴイ。校閲の閲の字とか大変だったろうね」(石原さとみさん)、「これは(もはや)地味じゃないけど、スゴイね」(菅田将暉さん)と、感動した様子が見られた。
日本テレビ放送網 編成局編成センター宣伝部 宣伝プロデューサーの畠山直人氏は、「出演者の感じた驚きや感動を共有することで、来場促進の後押しや、来場できない人にも赤鉛筆のスゴさを体験してもらいたいと考えました」と話す。
また、動画だけでなく、番組公式SNSアカウントでも、赤鉛筆を見る出演者の写真を公開。中でも石原さとみさんと本田翼さんが赤鉛筆を覗きこんでいる写真は、Instagramで多くの「いいね!」を獲得し、話題を集めた。
3点目は展示開始に合わせて、Web媒体中心に配信したリリースに工夫を施したことだ。畠山氏は振り返る。
「単にプロモーション案内のようなストレートなリリースでは、メディアに大きく取り上げてもらうことは難しいと考えました。試行錯誤の結果、リリースに付けたタイトルは『石原さとみ・菅田将暉も驚いた!“世界初の”地味にスゴイ!番宣 赤鉛筆の芯に番組宣伝を彫刻!』。赤鉛筆アートを見た出演者の反応を記事に盛り込み、『世界初』というキラーワードを立てることで、ニュース性のある記事になるように心がけました」
その結果、このリリースの効果もあり、多くの媒体で記事化されて話題になった。
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