第1回コラムはそれなりに反響があったようで、本当に嬉しい限りです。
また、本の売れ行きも非常に好調と聞き、あらためて拙書を購入していただいたみなさま、ありがとうございました。
さて、今回の講義では、逆境からV字回復するための「“売上げを増やす”Web広告のつくりかた」を話そうと思います。
とはいえ。Web広告にはいろいろなつくりかたがあり、正解もひとつではありません。また、すべてを話すととんでもない量になってしまいます。そこで今回は重要なポイントを抽出して説明しようと思います。
Web広告も逆算して考える
逆境でも逆境でなくても、Web広告においていちばん重要なのは、
売上げを増やす、から逆算する
ことです。
第1回コラムでも、ひらかたパークのV字回復事例を用いて説明しましたが、テレビCMでも、コピーでも、プロモーションでも、PRでも、Webでも、ベースはすべて同じ。売上げを増やすことから逆算しないと、「売上げが増える広告」はつくれません。
ただ単に話題化することを目的にしていないか
例えば、認知率100%の商品を買ってもらうための手段は「商品名を再認知させること」ではありません。消費者は「知っているけれど買わない」のですから、当然他の情報を加味しないと買ってもらえません。今までとは違う使い方を提案したり、新たなターゲットに届けたり。強い新ファクトがあれば、その情報を届けることで買ってもらうこともできるでしょう。
しかし残念なことに、認知率が100%であるにもかかわらず商品名だけを強調したり、購買行動を起こさない情報を届けるといった、
「ただ単に話題化することが目的になっているWeb広告」
も近年は増えてしまっているように思います。
残念ながら、そのような広告はいくら話題になっても売上げには直結しません。(動画が数百万回自然再生されたけれど売上げが増えなかった・・・といった相談は僕の元によく届きます)。
仮に売上げが増えたとしても、それは偶然当たっただけだったりします。優れたWebクリエイターは効果を出す道筋を持っており、ただ話題化することだけを目的にはしないのです。
話題化とはあくまでも、「売上げを増やすために伝える情報」をひとりでも多くの人に届けるための“手段”に過ぎないのです。
一方で、認知率が低く、その商品や企業を知ってもらうだけで、「選択され、売上げが増える」のであれば、話題化を狙うWeb広告をつくっても効果は出ます。むしろ積極的に「Web話法」に乗せたり、徹底的に感情を揺さぶったりして話題化する広告をつくるべきです(「Web話法」と「感情を揺さぶる方法」については書籍で公式を書いています)。
このように、売上げを増やすことから逆算して、どんな情報を伝えれば買ってもらえるのか、来てもらえるのか、選んでもらえるのか、を最初に設定するだけで、Web広告の効果は大きく変わります。緻密なメディアプランやビッグデータ解析のPDCA、コンバージョンレートも重要ですが、肝心の「伝えるべき情報」を逆算から考えない限り、効果は限定的かつ偶発的になってしまうのです。