雑誌『編集会議』が、10月より全国の書店やAmazonなどで好評発売中です。本記事では、その見どころを一挙にご紹介していきます。
「売り方のデザイン」「プロデュース」という“編集力”
出版不況と言われながらも数々のベストセラーが生まれており、その裏側で発揮されている編集力。一方向的にコンテンツを提供するのではなく、コンテンツを基軸として新たなコミュニケーションを生む編集力。そしてメディアの本旨が「伝える」ことであるならば、その先にある変化について考えることは、編集力を発揮する上で最も重要なことの一つです。
それらの「編集力」は、出版やメディアにおける現場でどのように発揮されているのか――。『編集会議』では、これからの時代における出版・メディアについて考えるべく、「シン・編集力」と題打つ巻頭特集を組んでいます。何がどう「シン」なのかは、本誌を読むことを通じ、解釈していただければと思います。
チャプター1の【2017年「ヒット本」の裏側】では、2017年にベストセラーを連発している幻冬舎の箕輪厚介氏をはじめ、「ビジネスブックマラソン」の土井英司氏が「売れる本」の傾向を分析したり、ベストセラーで話題のキングコング西野亮廣氏の新刊『革命のファンファーレ』の舞台裏に迫った「調整のファンファーレ」などの記事を掲載。
【メディアのプロデュース力】をテーマとするチャプター2の冒頭では、メディア業界で話題になった『5年後、メディアは稼げるか』の検証として「5年後、メディアは稼げているか」を1万字インタビューでお届け。「NewsPicks」佐々木紀彦編集長が、この5年間で見出した解について聞いています。また『WIRED』若林恵編集長による「編集者にプロデュース力なんかいらない」という特集に異を唱える記事も掲載しています。
チャプター3のテーマは【伝える、その先にあるもの】。荻上チキ氏によるメディアの「社会的責任」についての解説、「編集力」がときにネガティブな現象を招く“負のストーリーテリング”について『はじめての不倫学』を著した坂爪真吾氏の記事、そして内閣府参与も務めた湯浅誠氏の「発信と10年」を振り返ることで、出版・メディアによる発信が社会に対して与えるインパクトを考えます。
誤植のファンファーレが聞こえるか
「誤植 vs 校正・校閲」特集では、重要性が語られることの多い校正・校閲側からではなく誤植側から考えるという、これまでにないアプローチを試みました。すでに起きしまったどうしようもない誤植は編集者にとって“黒歴史”でしかなく、それらを少しでもポジティブに解釈できればという意図も込めています。
誤植と言えば、2017年に話題になったキングコング西野亮廣氏作『えんとつ町のプペル』の帯での誤植(誤植のファンファーレ)をはじめ、中川淳一郎氏の「誤植の履歴書」、校閲者・柳下恭平氏による「10年以上、僕が長髪である理由」、『誤植読本』編著者の高橋輝次氏の「誤植はつらいよ」など、編集者たちの誤植体験記事を掲載しています。またデーブ・スペクター氏も登場。お得意のクールギャグを織り交ぜながら、誤植について独自の視点から語っています。
どんなに校正や校閲を重ねても起こってしまうのが誤植なのだとすれば、我々編集者は誤植とどのように向き合い、対峙すればいいのか――。本誌を読むことを通じ、誤植について今一度考えるきっかけにしていただければと思います。
さらに、『編集会議』特別編として、『己を、奮い立たせる言葉。』とコラボレーションして実施した公開対談「岸勇希×箕輪厚介 1万字対談『己を、奮い立たせる言葉。』ヒットの舞台裏」の記事も公開しています。
『編集会議』の発売から1カ月超。Amazonでは「広告・宣伝・営業の雑誌」部門で常時1位をキープしており、全国の書店から追加注文が相次ぐなど、大変な好評をいただいています。ぜひお近くの書店やAmazonなどでご覧になってみてください。