スマートフォンの次のデバイスを待ち望む声
iPhoneが10周年を迎え、Appleが「iPhoneX」を発表しました。このタイミングで注目される事柄は、スマートフォンがデジタルテクノロジー企業のイノベーションドライバーである時代が終わりを告げ、コモディティ化しつつあるということです。
それと同じくして、新しいデジタルテクノロジーを背景に進化する世界は、自動運転技術や人工知能に限らず、Bitcoinに代表される新しいインフラ技術など、多岐に渡って世の中の変化をつくり出しています。
「IoT(Internet of Things)」もバズワードであった時代は過ぎて、具体的なインターフェイスデバイスの段階に移りつつあります。その顕著な例はAmazon、Google、Apple、そしてLINEがこぞって発表している音声によるパーソナルアシスタントとAIを組み合わせたスマートスピーカーです。
Amazonはやや先行して「Alexa」というプラットフォームをメーカーに提供し、すでに「Alexa」に対応した家電製品がコンシューマーエレクトロニクスショー(CES)を賑わしています。それに呼応して音声認識技術をメインにしたパーソナルアシスタントAIを発表しているGoogleやAppleは「Google Home」や 「Home Pod」をそれぞれ市場に投入し、日本ではグローバル各社を差し置いてLINEが「Clova」というスマートスピーカーローンチしています。
一方で、スマートフォンに慣れ親しんだ日本市場では、音声認識技術をメインにしたスマートスピーカーやアシスタントは、なんだか技術が未熟で退行したと感じる人も少なくないようです。実際に自分が耳にしたのは「デバイスを持ち歩けもしない。しかも音声よりテキスト入力の方が早いし、スマートフォンの方がよっぽど便利」といった声です。