相手のハートをキャッチするのは「正しい」よりも「楽しい」言葉

いざ実践、コピーライティング!優秀コピー5つを紹介。

さて、せっかくなので、みんなにコピーを書いてもらおうと思います。第55回「宣伝会議賞」の中高生部門で、実際に出題されている課題に挑戦してもらいます。

読売中高生新聞
「スマホ世代に、新聞の魅力をガツンと伝えるアイデア」

ひとつヒントを。この中で、新聞を毎日読んでいる人はいますか?……ほとんどいないよね。じゃあ、なぜ新聞を読まないのかな。何をどう言われたら、新聞という存在がちょっと気になるかな。そういう自分の素直な思いと向き合い、自分の生活の中にある新聞について考えてみてください。

(生徒の皆さんが書いたコピーを見て)いいですね、自由ですね。すごく言葉が生きていて素敵です。特に良いなと思った5つを紹介します。

流さない、めくるの
「今こそ沸く言葉」をギュッと詰め込むのも、広告の醍醐味です。

「ままぁ〜。新聞とってきてぇ。」
普通は逆だよね。でも、それくらい子どもが新聞を自分のものにしているということが伝わってくる。実際使える、非常にクレバーなコピーですね。

世界がてのひらにおさまるとでも思ってる?
「スマホ」とは一言も言っていないのに、パっとそれがわかる感じがいいですね。

通信制限 視力の低下 で、お困りの方は「新聞」へ
一番身につまされるところですよね。そんな悩みに、新聞というものがあるよと言ってあげるコピー。新聞を、「読む」「読まない」という論点からずらしているのが上手いですね。

全学生に告ぐ、「脳みそ明朝体植樹計画」始動
「植樹」という言葉を見つけたのが見事ですね。度肝を抜かれました。

自分の言葉とじっくり向き合うということは、自分の心を豊かに育ててくれる。これが、コピーライターになって17年経つ僕の、素直な実感です。自分の言葉を見つめ直す機会はなかなかないけれど、ふとした瞬間に自分の言葉のネジを巻き直すだけで、たちまち周りの人と、そして自分自身と、良い関係が築けるようになる気がするんです。言葉を豊かに扱える人は、どんな道に進んでも、周りの人といい関係を築いていけると思います。

「何を言うか」と「どう言うか」。「正しい」言葉ではなく、「楽しい」言葉を書く。今回の授業では、これだけ覚えてもらえたら十分です。これができるだけで、自分の言葉にますます磨きがかかります。キャッチフレーズづくりを通じて、その感覚を楽しんでもらえたら嬉しいです。


日本最大規模の公募広告賞 第55回「宣伝会議賞中高生部門は全9課題で作品応募を募集中です!
応募締切は11月6日(月)13:00。

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