ハロウィンがなぜ盛り上がるのか? 流行を読み解くための3つの視点

2017年のハロウィンはどうなっていた!?

先週末、ハロウィン@渋谷を散策してみました。その時の雰囲気を伝えてくれる写真を掲載します。

(※筆者撮影)

雨のせいもあるのか、やはり人が少なかった一方で、強く印象に残ったのは、仮装している外国人がとても多かったことです。大げさでなく、日本人並みに。おそらく観光客も含まれているはずで、日本のハロウィンは面白い!的な噂を聞きつけてきているのかもしれません。

現に、Instagramで渋谷をライブ配信している人もいて、「渋谷のハロウィンすごいぜ」のようなことを自国のフォロワーに流しているのかなと思いました。新しい観光PRチャネルとしても興味深かったです。

ハロウィンについては、既にさまざまなことが論じられ、分析されています。例えば、日本記念日協会による、ハロウィンの市場規模がバレンタインを既に超えたという統計もよく知られています。

また、若者研究で著名な原田曜平氏の『パリピ経済 パーティーピープルが市場を動かす』(2016年)では、「パリピ(Party Peopleの略語)」が近年のハロウィン文化を牽引したという説が展開されています。

パリピは「アーリーアダプター」(エヴェリット・ロジャース教授のイノベーター理論に基づく)で情報感度が高く、発信力も秀でているので、ビジュアルコミュニケーションの使い手として影響力を持つでしょう。僕自身もこの立論には賛同しつつ、いまやハロウィンの担い手はパリピ以外にも広がりつつあることを実感します。

例えばアーリーアダプターだけでなく、アーリーマジョリティーへ。街中で騒ぐことだけでなく、室内で小規模に集まって楽しんだり、といった多様化が進んでいることも関連する事柄でしょう。また、先述の外国人(観光客)の参加というトレンドも、これからのハロウィンを考える上で興味深い動きです。

そのような変化にも目配せしつつ、ここからは、ハロウィンの流行を読み解くための不変の3つの視点を挙げてみたいと思います。

次ページ 「ハロウィンの流行を読み解くための3つの視点とは?」へ続く

前のページ 次のページ
1 2 3
天野彬
天野彬

1986年生まれ。東京都出身。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。 2012年株式会社電通入社後、マーケティング部門、新規事業開発部門を経て、2014年から電通メディアイノベーションラボにて研究/執筆/コンサルティングの業務に携わる。専門領域はスマホユーザーやウェブサービスのリサーチ。
主著にインスタグラムをはじめとするSNSのトレンドを分析した『シェアしたがる心理~SNSの情報環境を読み解く7つの視点~』(2017年、宣伝会議)。その他、『情報メディア白書2016/2017/2018』(ダイヤモンド社、共著)、『二十年先の未来はいま作られている』(2012年、日本経済新聞出版社、共著)。経済番組でのコメンテーターや宣伝会議、日本マーケティング協会、全日本広告連盟、アドテック東京などでスピーカーを多数務める。「Forbes JAPAN」オフィシャルコラムニスト。

天野彬

1986年生まれ。東京都出身。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。 2012年株式会社電通入社後、マーケティング部門、新規事業開発部門を経て、2014年から電通メディアイノベーションラボにて研究/執筆/コンサルティングの業務に携わる。専門領域はスマホユーザーやウェブサービスのリサーチ。
主著にインスタグラムをはじめとするSNSのトレンドを分析した『シェアしたがる心理~SNSの情報環境を読み解く7つの視点~』(2017年、宣伝会議)。その他、『情報メディア白書2016/2017/2018』(ダイヤモンド社、共著)、『二十年先の未来はいま作られている』(2012年、日本経済新聞出版社、共著)。経済番組でのコメンテーターや宣伝会議、日本マーケティング協会、全日本広告連盟、アドテック東京などでスピーカーを多数務める。「Forbes JAPAN」オフィシャルコラムニスト。

この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

このコラムを読んだ方におススメのコラム

    タイアップ