アップル、ウォルマート、スターバックス、コストコ…最も顧客中心な企業はどれか?

すべての顧客は同じではない

アマゾンはアマゾンプライム会員組織を展開していますが、プライム会員に優遇したサービスを配送だけでなく、動画サービス、音楽サービスなどに拡大しつつあります。

これらはプライム会員では基本的に無料で提供されていますが、単に既存会員の満足度向上のためではなく、あきらかに利益機会を追求するためにつくられたものです。

アマゾンはプライム会員の対象となるような顧客が長期的な利益をもたらすことをよく知っており、たとえ無料で提供してもその顧客にあった商品やサービスを継続的に提供すれば、利益を最大化できるとわかっているからです。このような企業が狙った「特定の」顧客に対して理解を深めれば深めるほど、ますます商品が最適になり、またそれが顧客にも喜ばれて、さらなる購買機会に恵まれていくポジティブなサイクルができることで顧客中心が活かされていくのです。実際に米国のアマゾンプライム会員の平均購買金額は、非会員の2倍にもなるそうです。

これはたまたま選んだ顧客の購買金額が高くなっているわけではありません。アマゾンは意図的に顧客を選んでそのような仕組みを継続的に促すようにしているからこそであり、その前提では、すべての顧客は同じではありません。

したがってその企業にとってもっとも利益を長期的に提供しうる顧客を選ぶことは、顧客中心が目指す基本です。だからこそ単純なカスタマーサービスとは視点が違うのです。

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