スナップマート江藤美帆氏が語る「編集者のためのSNS×自己プロデュース」

SNSにおけるフォロワー数により、その人の価値が測られるサービスが台頭するなど、ますます「個」の力が問われる時代になっている。では編集者はSNSというツールをどのように活用すればいいのか。「フォロワー数よりも、誰にフォローされるかが重要」と話すスナップマート代表の江藤美帆氏に解説してもらった。

編集者にも求められる発信力

先日、とあるSNSインフルエンサーから「出版社の人に会いに行ったら、SNSのフォロワーが10万人超えたらすぐ出版できますよって言われたんです。なんかがっかりしました」という愚痴を聞きました。おそらく書籍の編集者であれば、こんな話を見聞きすることは何も珍しいことではないと思います。

出版不況が叫ばれるなか、以前のように海の物とも山の物ともわからない才能を世に送り出すという「冒険」ができる出版社は少なくなりました。私の記憶では、10年ほど前から「著者の営業力」に期待する出版社が増えたように思います。SNSのフォロワー数はその営業力を客観的に測る指標とされており、それが先ほどの「フォロワー10万人なら即出版」という話につながったのでしょう。

しかし出版社側がこのように考える一方で、インフルエンサーたちもだんだんと気づき始めています。「自分のファンに読んでもらうだけなら、なにもわざわざ出版社を通さなくてもいいのでは?」と。ちなみに、この傾向は若い人ほど顕著です。なぜなら彼らは「放送」や「出版」といった旧来のマスメディアに対して憧れを抱いていないからです。

このように、個人の影響力が企業の影響力をも凌ぐようになった現代では、出版社(=編集者)も彼らに負けないような影響力を持たなければ対等に渡り合うことができません。才能があり販促力もある著者ほど、SNS上でもリアルでも、自分のブランド力を上げられそうな相手を選別しているということは記憶に留めておくべきでしょう。

注力すべきは断然Twitter

SNSと一口に言っても、Facebook、Instagram、Twitter、LINE……とプラットフォームは多岐にわたります。しかし、編集者が2017年のいま注力すべきSNSと言えば、問答無用で「Twitter」しかありません。

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Twitterの何が素晴らしいのかというと、やはりなんと言ってもその「拡散力」です。とりわけ良質なコンテンツとTwitterの拡散力がかけ合わさったときの伝播力は凄まじく、自分自身にフォロワーがほとんどいなくても、リツイートが繰り返されることによって万単位の人にコンテンツを届けることができます。Instagramのように拡散する機能がないSNSだと、こうはいきません。

Twitterに注力すべきだと言うと、まずはフォロワーを増やそうと思う人が多いのですが、上記の理由からTwitterではフォロワー数は絶対ではありません。それよりも重要なのは「誰にフォローされるか」です。

私はTwitterを始めた頃はこれをかなり意識していましたが、フォロワー数が300人くらいでも、その中に影響力の強い人が数人いれば、1つのツイートが10万人以上にリーチすることも珍しくありませんでした。

具体的に、影響力のある人にフォローしてもらうにはどうすればいいかと言うと、まずは自身が有益な情報を提供するように心がけることが最低条件です。そしてそれができてからは、彼らに見つけてもらう努力をすることです。

フォローをするのはもちろんのこと、ときどきお気に入りをつける(「ときどき」というのが肝でやりすぎは逆効果です)、共感したツイートにリプライを飛ばす、その人の名前を入れてツイートをする(エゴサーチで見つけてもらう)、といった方法で相手に存在を認識してもらうことができます。

……「具体的にどんなツイートすればいいのか」「編集者がやりがちな間違い」「SNS活用の着地点とは」「SNSブランディングの真の意義」など、本記事の続きは『編集会議』最新号をご覧ください。

スナップマート 代表取締役社長
江藤美帆 氏

SNSマーケに特化したWebメディア「kakeru」の初代編集長を務め「SNSポリス」の漫画家かっぴーや若年層向けSNSコンサルタントの石井リナなどを世に送り出す。2016年に独立し、スマホで写真が売れるアプリ「Snapmart」をリリース。インスタグラマーを活用したブツ撮りサービスなどを事業展開中。

 

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