デジタルの予言者が説く「クリエイティブとは、マインドセットである」

IoTからIoEへ

モノ(物体)がインターネットにつながるIoT時代から、ヒトやコトを含めてすべてものがネットにつながる(IoE:Internet of Everything)時代が到来している。ウェアラブルデバイスというと、これまで私たちは「Apple Watch」や「Google Glass」などを想像していた。しかし、ウェアラブルデバイスと呼ばれるプロダクトは現在290以上あり、そのうち最も多いのはヘルスケア領域のものだ。

マイクロソフト・リサーチとMITメディアラボが共同開発している、ウェアラブルデバイス「DuoSkin」。

 

近年、もっとナチュラルなウェアラブルデバイスの開発が進んでいる。マイクロソフト・リサーチとMITメディアラボが共同開発している「DuoSkin」は、金箔を肌に貼りつける、タトウーのような見た目のタッチパネルだ。オーストラリアの銀行Heritage Bankでは、スーツの袖にNFCチップを埋め込み、VISAカードの読み取り機に袖をかざすだけで決済できる仕組みを開発している。他にも、導電性のある繊維を開発し、衣服をデバイスにする開発も進んでいる。

サウンドを通じたブランディング

人がブランドを認知する方法には、「Sight(視覚)」「Sound(音)」「Motion(動き)」の3種類がある。Amazon Alexaに代表されるAI搭載音声アシスタントが家庭に普及することは、生活者の聴覚を通じた情報取得の機会がより増えることを意味する。

音によるブランディングで成功している企業といえばどこか。例えばインテル。私たちはあのわずか3秒しかないサウンドを聴くだけで、インテルを想起できるはずだ。スマートスピーカーが普及すれば、人は店頭ではなく音声アシスタントとのやりとりでダイレクトに商品を購入するようになる。すると、これまで店頭で重視されてきたビジュアルやパッケージデザインは、その優先順位が変わってくる。ブランドが宿るのは、色やフォントなどの視覚要素だけではない。サウンドのクリエイティブにスポットが当たる時代が来るだろう。

次ページ 「消費の中心、若者は「me generation」」へ続く

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