ファンの声を直接聞くために社長が全国行脚、ケンタッキーフライドチキンの顧客戦略

社長が全国行脚するタウンミーティング

藤崎:デジタル以外のファン活動についてもお伺いしたいと思います。

塩谷:「タウンミーティング」です。こちらは、以前「アンバサダーミーティング」としてスタートしたものの発展型として行っております。

「アンバサダーミーティング」の時はファンの方に集まっていただき、楽しんでもらい、意見交換を行い、さらにケンタッキーを好きになってもらおうというものでしたが、タウンミーティングの最大の特徴は、当社の社長が直接お客さまの声を聞きに行きたいという願いが強く、それが原動力になっている点です。

藤崎:社長が毎回タウンミーティングに行くのですか?

塩谷:はい。1年で4〜5回のペースで何年かかけて全国を回りたいと考えています。この試みを開始した2016年は東京、横浜で開催しました。今年は大阪、札幌、福岡、埼玉などを回っています。もちろん新商品を紹介して食べていただいたり、オリジナルチキンマイスター(世界でたった2人しかいない「オリジナルチキン」のプロフェッショナル)がつくった「オリジナルチキン」を食べてもらったり、クイズを楽しんだりといったプログラムもありますが、やはり社長と話す場ということに毎回大きなウエイトを置いています。

藤崎:社長と一般ユーザーの交流ですね。

塩谷:タウンミーティングにいらっしゃる方は、ケンタッキーが好きな方が多いです。ですから会社や店舗についても何らかのご意見をお持ちで、それを伝えたいという方が多いのが特徴です。そうしたお話を社長が聞く場です。社長はメモを取り、その場で一緒に参加している担当者に「すぐに検討しなさい」ということもあります(笑)。

藤崎:社長が率先して、そこまで顧客の声に耳を傾けているんですね。

塩谷:以前行っていた「アンバサダーミーティング」の場合は、ファンへの感謝の場で、ファンにもっとケンタッキーのことを知っていただき、周りにケンタッキーのことを伝えてね、という感じでしたが、昨年から行っている「タウンミーティング」は、むしろ社長がファンの方から聞いたことを現場に落としていくイメージです。

藤崎:お客さまの声を改善点として聞き入れて、企業を前進させていくという感じですね。
社長の姿勢が素敵ですね。

次ページ 「子供が「オリジナルチキンマイスター」に学ぶキッズスクール」へ続く

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藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)
藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)

博報堂 宗形チーム、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODO、アジャイルメディア・ネットワークを経て、現職。
変わりゆく広告の最前線を歩み、ファンやアンバサダーに着目した企業のマーケティング活動に従事し、研究職に。
日本広告学会:クリエーティブ委員、産業界評議員、デジタルシフト準備委員会。日本広報学会会員。WOMマーケティング協議会:副理事長、事例共有委員会。東京コピーライターズクラブ会員。カンヌ・クリエイターオブザイヤー他受賞多数。多摩美術大学、日大商学部非常勤講師。

藤崎実(東京工科大学メディア学部専任講師/アジャイルメディア・ネットワーク エバンジェリスト)

博報堂 宗形チーム、大広インテレクト、読売広告社、TBWA HAKUHODO、アジャイルメディア・ネットワークを経て、現職。
変わりゆく広告の最前線を歩み、ファンやアンバサダーに着目した企業のマーケティング活動に従事し、研究職に。
日本広告学会:クリエーティブ委員、産業界評議員、デジタルシフト準備委員会。日本広報学会会員。WOMマーケティング協議会:副理事長、事例共有委員会。東京コピーライターズクラブ会員。カンヌ・クリエイターオブザイヤー他受賞多数。多摩美術大学、日大商学部非常勤講師。

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