行けば行くほど「好きになる」をつくり出す
大学からの友人で、気軽に飲みに行く友人といつも訪れるお店は「ふたご」。知っている方もいるかもしれませんが、「ふたご」にはお客さんにランクがあります。
来店回数ごとにポイントを溜めてランクを上げていくのですが、上げていくごとに会員限定特典がある。その特典がユニークなところを、いつも2人で面白がっています。
例えば、ランクがあがると1杯目のジョッキがとんでもなく大きいサイズになったり(本当に大きい)。さらにランクがあがると登録店舗に金のトングを置いてもらえたり。
同じような仕組みは塚田農場にもあり、こちらもまた有名かもしれません。通い詰めるごとに「課長」「部長」「社長」などとランクがあがっていき、こちらもピンバッチ(よくわからない形…!)なんかがもらえたりします。
最近ではスターバックスが「スターバックスリワード」というポイント制度を始めたり、H&Mも日本でのポイントサービスを開始しています。たくさんの企業が、再訪ユーザーに対して特典を用意する中、もちろん得意客に対して、「ポイントが貯まると一杯無料!」などオトクな特典を与えるのもロイヤリティに響く大きなポイントですが、一方でユニークな特典や、自分の商品のキャラクターを伝えるイベントを用意することで、通えば通うほど、そのキャラクターが「好きになる」特典もまた魅力的に思います。
私や友人は、通えば通うほどその特典によって見せられるお店の「キャラクター」のファンなのです。
再訪ユーザーに対して何かしら特典を与える文化は、もちろんITにも存在します。2度以上訪れているユーザーには、過去の履歴から、よく使うボタンをすぐにタップできる場所にボタンを置いたり、SmartNewsやGunosyなどのメディアサービスは過去の閲覧履歴からユーザーがほしそうな情報をレコメンドして表示してくれています。
このようなWebサービスの機能だけではなく、“「いつもの」と言えば注文が出てくる”という昔からの表現にもあるように、オフラインにもお客さんと店員の関係性によって「訪れれば訪れるほど、仲良くなる」「自分に沿ったサービスを受けることができる」という体験が成立しています。