AI音声アシスタント搭載のスマートスピーカーが、世界的に注目を集めている。米調査会社のガートナーは、世界のスマートスピーカーの市場規模は、2015年の3.6億ドル(約390億円)から2020年には21億ドル(約2275億円)にまで急成長すると予測している(Forecast Snapshot: VPA-Enabled Wireless Speakers, Worldwide, 2016.)。
同調査によれば、2020年までに全世界における世帯普及率は3.3%になる見込みで、スマートスピーカー所有世帯のうち、75%が1台、20%が2台、そして5%が3台以上を所有するとの予測だ。
スマートスピーカー普及の波は日本にも押し寄せており、Amazonが「Amazon Echo」、Googleが「Google Home」「Google Home Mini」をそれぞれ日本で発売した。時を同じくしてLINEも10月に「Clova WAVE」を発売。大手プラットフォーマー各社のスマートスピーカーが出揃った形で、2017年は「スマートスピーカー元年」とも言われている。
Googleによれば、アンドロイド端末を用いた検索のうち20%が音声によって行われているという。消費者にとって、音声による情報接触行動が身近になればなるほど、スマートスピーカーはマーケターにとっても重要な存在となってくる。スマートスピーカーは、音声認識と自然言語処理の技術発展に伴ってさらなる進化を遂げ、ブランドが新たな顧客体験・より良いサービスを提供するための後押しをしてくれる可能性を秘めているのだ。
こうした状況を背景に、広告会社 ジェイ・ウォルター・トンプソンでは、音声技術が消費者行動に及ぼす影響を調査し、ブランドにとってのビジネスチャンスがどこにあるかを示唆したレポート「SPEAK EASY – THE FUTURE ANSWERS TO YOU」を発表した。
世界の音声技術の概況、音声技術に対する消費者の意識、9カ国(英国、米国、ドイツ、スペイン、タイ、日本、オーストラリア、中国、シンガポール)の各国市場における利用実態などをまとめ、ブランドが音声アシスタント搭載スマートスピーカーをマーケティングに生かすためのヒントを提供している。