「ZOZO SUIT」はECの常識をくつがえす、新しいIoTソリューションになりえるか。

「ZOZO SUIT」で加速するIoTソリューション

以上のような課題が想像できるにせよ、「ZOZO SUIT」にはワクワクするような期待感があります。というのは、このようなソリューションは今後、ますます増えていくと予想できるからです。

データの蓄積や活用方法には、まだまだ課題がありますが、それは新しいチャレンジに必然的に伴うものに見えます。スマートスピーカーしかり、自動運転しかり、無人店舗しかり、今後、スマートフォンを超えてデジタルテクノロジーによって新しい世界が見えてきます。そして、そのような世界によって、ただ競争優位であるというより、顧客データ中心のビジネスが、ますます加速されることが期待されます。

実際に開発したStretchSense社は、「サイズ計測はアプリケーションのひとつでしかない」と答え、アップルやグーグルがウェアラブルデバイスで試みようとしている動作計測やヘルスケア領域まで視野に入れているようです。

「ZOZO SUIT」がアマゾンの音声アシスタントAlexaのようにスキルを追加させて進化させていくことも十分に想像できます。そうなると、「ZOZO SUIT」はサイズ計測を超えた新しいウェアラブルテクノロジーのプラットフォームになっていくかもしれません。

実際にニューバランスのようなスポーツブランドにとって、「ZOZO SUIT」は最適な存在だと感じています。先ほど述べた購入前のリスクをなるべく減らすことが、購入者にとっての満足度の向上につながるからです。

そしてスポーツのように特定の運動をすることを前提としていれば、購入者はリスクを減らすために進んでSUITを着てデータを提供してくれるに違いありません。そのほうが彼らの望むパフォーマンスに近い商品が手に入ることができるからです。それだけでも十分にワクワクするような試みです。

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鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)
鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

鈴木健(ニューバランス ジャパン マーケティング部長)

1991年広告会社の営業としてスタートし、ナイキジャパンで7年のマーケティング経験を経て2009年にニューバランス ジャパンに入社し現在に至る。ブランドマネジメントおよびPRや広告をはじめデジタル、イベント、店頭を含むマーケティングコミュニケーション全般を担当。

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