お題は「チームラボアイランドのリピーターをもっと増やすには?」
10月13日夜18時。本郷三丁目にあるチームラボ本社に、十数名の子どもたちが次々と入っていく。こんな時間から社会科見学?と思えば、ミーティングテーブルについた彼らが始めたのは、チームラボアイランド-学ぶ!未来の遊園地-を担当するチームラボキッズの担当者に向けた“プレゼン”だった。
「チームラボアイランドを実際に体験させていただき、いくつかこうすればもっとよくなるんじゃないかと私たちの中で話し合い、まとめたので紹介していきたいと思います」
「スタッフの人たちに『ボールを蹴らないで』などと注意されると、怒られた、叱られたと感じてしまいます。子どもはちょっとでも叱られたと思うと、もう行きたくないという思いが大きくなってしまいます」
「ではどんな言い方がいいかとみんなで話し合ったところ、『走ったらどうなるんだろう?』など、子どもたち自身に危ないからやめないといけないと感じさせることができれば、子どもたちも嫌な思いをせずに自発的にやめると思います」
「同じように、遊び方も『こうすれば火が出てくるよ』と最初から正解を言うのではなく、『こうしたらどうなるだろう?』と、子どもたち自身が発見する言い方がいいのではないかと思いました」
この日プレゼンされたのは、チームラボが全国に展開する子ども向けの共創を学ぶ知育空間「チームラボアイランド-学ぶ!未来の遊園地-」の改善提案。発表したのは、NPO法人ごかんたいそうが運営する「こどもクリエイティブエージェンシー」のメンバーの子どもたちだ。「チームラボアイランドを訪れる子どもをもっとリピーター化するためのアイデア」をテーマに、中学生3名、小学生(2~5年生)7名が発表を行った。提案を受けたのは、同施設を運営するチームラボキッズの長谷川亮祐さんらのチームだ。
冒頭に年長の中学生がスライドを使ったプレゼンを行い、その後は小学生が1人ずつ、チームラボアイランドの各プログラムの「よかった点」「改善したほうがいい点」を発表していった。発表後は質疑応答が行われた。
「ボールを蹴らないでって言わないと、当たったら痛いじゃない?どうかな?」
「当たったら痛いなら、柔らかいボールにすればいいと思う(会場笑)」
子どもたちが、慣れない空間、はじめてのプレゼン体験にも怖じ気づくことなく、きちんと大人と対話をしていたのが印象的だった。
この日、ほかに出たアイデアには「休憩場所を作ってほしい。もっと遊びたいと思っても、先に疲れてしまって帰ってしまった。休憩場所があれば少し休んでまた遊べるので、滞在時間が伸びると思う」「ゲームの難しさを選べるようにしてほしい」「中高生向けのアイランドも作ってほしい。中高生は小さい子に混じって遊びづらいし、親がいなくても遊びに来れる」といったものがあった。
チームラボキッズの長谷川さんは、総括として「僕たちのチームで考えたことをなかったことを言ってもらえたのはありがたかった。いい意見がたくさんあったので、社内でみんなの提案をシェアします」と約束し、約2時間のプレゼンイベントを締めくくった。