越境プロジェクトは決断のスピードが大事。間違ったらすぐに変えるのも大事。
さて、そもそもデザイン×テクノロジーという「越境」集団でもあるFuture Creative Labの皆さんと協働することになったきっかけはフェイスブック。元々筆者が博報堂に在籍していたこともあり、Future Creative Labの代表である望月重太朗さんとは知っている仲でしたが、ある日、筆者のフェイスブックの投稿に望月さんが反応したことから「一度東京で会いましょう」となりました。
久しぶりの一時帰国に合わせて、軽くお茶をしたのですが、その場でアムステルダムのクリエイティブの話をしているうちに、「それは面白い環境ですね」というところから、「ぜひ何かオランダとコラボしましょう」と話をしました。
オランダに帰国後、すぐに望月さんが簡単な企画書を送ってくれたので、翌日にはそれを持って、今年前半に通っていたメディアラボアムステルダム(コラム「オランダのクリエイティブ人材を輩出する教育機関「メディアラボアムステルダム」参考)のOBOG組織「クリエイティブ・アクロス」というネットワークに話に行きました。実は、筆者は今そのOBOG組織の活性化プロジェクトに関わっていたからです。
クリエイティブ・アクロスのボードメンバー (左から)Dionさん、Baukeさん、Mackenzieさん
クリエイティブ・アクロスに、博報堂アイ・スタジオの実績と企画の話をしたところ、その場にいた全員が「Coooooool!」「なんとしても一緒にやりたい!!」とその場で即決。この反応を望月さんに返したところ、「やりましょう!」ということで、その日のうちにプロジェクトの始動が決定したわけです。
これは「越境」する際のポイントの1つでもあるのですが、この「スピード感」はめちゃくちゃ大事です。ということで、今後みなさんが「越境」する際には、できるだけ「では一旦、社に持ち帰って検討します」「上司に相談します」はナシにした方がいいです。「越境」プロジェクトの成否はスピードの比重もかなり大きいのです。
そして、ついでに「越境」プロジェクトをうまく進めるためのヒントがもう1つあるとすれば、「ソッコーでやめる」「サクッと変更する」ということでしょうか。ちょっと問題があるな、と思ったら、すぐに変更してみてください。これは海外のクリエイティブ周りで多いのですが、「ダメなものにはいつまでもこだわらず、どんどんいいものを追い求める」という姿勢が大事です。例えば、ヨーロッパでは、法律とか税金のルールとかコロコロ変わるんですが、こういう姿勢がもともとあるからだな、と感じています。
次ページ 「日本とオランダで共通の社会課題をクリエイティブで解決す」へ続く
吉田和充
吉田和充(Creative Business Development/Branding Designer/Creative Director/保育士)
1972年東京生まれ。1997年慶應義塾大学卒業後、博報堂入社。CMプランナー/ディレクターとして、40社、400本以上のCM制作を担当。ACCグランプリ、コピー賞などを獲得。
在職中に1年間の育児休暇を取得し、家族でアジア放浪へ。2016年、子どものクリエイティブな教育環境を重視してオランダへ移住。2017年現在、Neuromagic Amsterdam BV CEO、個人事務所SODACHI CEO、STYLA TOKYO クリエイティブディレクター。広報広告全般からマーケティング、企業の成長戦略策定、ブランディング、新規事業立ち上げ、新商品開発、Web制作、サービスデザイン、海外進出などクリエイティブ業務全般を担当。
アムステルダム市との協働プロジェクトとして、アムステルダム市の「粗大ゴミの処理問題」にも取り組む。
元サラリーマンクリエイターの海外子育てブログ『おとなになったらよんでほしい|おとよん』連載中。
吉田和充(Creative Business Development/Branding Designer/Creative Director/保育士)
1972年東京生まれ。1997年慶應義塾大学卒業後、博報堂入社。CMプランナー/ディレクターとして、40社、400本以上のCM制作を担当。ACCグランプリ、コピー賞などを獲得。
在職中に1年間の育児休暇を取得し、家族でアジア放浪へ。2016年、子どものクリエイティブな教育環境を重視してオランダへ移住。2017年現在、Neuromagic Amsterdam BV CEO、個人事務所SODACHI CEO、STYLA TOKYO クリエイティブディレクター。広報広告全般からマーケティング、企業の成長戦略策定、ブランディング、新規事業立ち上げ、新商品開発、Web制作、サービスデザイン、海外進出などクリエイティブ業務全般を担当。
アムステルダム市との協働プロジェクトとして、アムステルダム市の「粗大ゴミの処理問題」にも取り組む。
元サラリーマンクリエイターの海外子育てブログ『おとなになったらよんでほしい|おとよん』連載中。
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。