【前回】「電通×アマナ コラボ企画 「ビジュアルが持つ力の本質とは?」【前編】」はこちら
具体的には「ビジュアル×クリエーティブPR」「ビジュアル×新規事業」「ビジュアル×テクノロジー」「ビジュアル×インナー活性化」「ビジュアル×デジタルマーケティング」の5つのテーマをオムニバス形式で、電通とアマナのプロデューサーやクリエーターが“ビジュアルの持つ力”の本質に迫ります。
ビジュアル×インナー(クライアント企業)活性化
小柴:4つ目のテーマは、「ビジュアル×インナー(クライアント企業)活性化」は、私からお話しいたします。
クライアント企業の社内の風土改革で、テーマに上ることが多いのは、現場からのボトムアップの活性化です。私はこの課題解決に「写真」が役立つと考えています。
「アース ミュージック&エコロジー」を展開するアパレルメーカーのストライプインターナショナルは、社員同士のつながり深め、ボトムアップの提案を増やしていくために、社内に即席スタジオをつくり、全社員に自分が大切に思うものを持ってきてもらい、一緒に写真を撮るポートレートをつくりました。
そして、それを廊下に張り出したところ、社内で話題が生まれ、来社した人からも「いい会社ですね」と言われるようになったそうです。同社が「カンブリア宮殿」で紹介されたときにも、このポートレートが取り上げられました。
ポートレートには、一人ひとりの多様性の肯定と組織に帰属するプライドを醸成する効果があります。新入社員が入ってきた時に、その写真を撮ることもひとつのイベントになります。
最近では「企業写真部」のプロデュースを始めています。タマホームでは、フォトトレーニングを実施して、入社式などの写真を社員が撮ることで、コミュニケーションが円滑化した効果が見られました。
また、インナー向けのアプリケーションも開発しています。これもストライプインターナショナルの事例ですが、「世界一楽しい社員名簿」というアプリを制作しました。これは部署や立場を超えてメッセージを送り合える機能も搭載され、つながりを可視化できるアプリです。
アマナの中でも、年間1万5000件の案件で使われたスキルやノウハウを共有するコミュニケーションツールが浸透しています。このようにボトムアップの声を拾い集めて可視化することで社内が活性化していきます。