地域の特産品をレシピ動画でPR 「ふるさと納税」の寄付金が140%に

地方自治体や地域の食品メーカーが、レシピ動画を活用するケースが増えている。宮城県や鹿児島県曽於市は、地元の特産品を使ったレシピ動画を制作し、SNS上で配信することで、高い成果を挙げた。そこで国内最大級のレシピ動画メディア「DELISH KITCHEN」 マーケティングソリューションズ マネージャーの三ツ中菜津美氏に活用が進む背景と、効果的な動画の使い方について聞いた。

複数の食材を盛り込み 地方の特産品の認知拡大

エブリー「DELISH KITCHEN」マーケティングソリューションズ マネージャー 三ツ中 菜津美 氏

近年、多くの自治体が地域の魅力を伝えるためのPR動画を制作している。しかし、閲覧数がうまく伸びなかったり、拡散を狙い炎上してしまうケースも出ている。さらに地方自治体はマス広告での展開ではなく、限られた予算の中で成果を出さなければいけない。

そんな中で注目されているのが、レシピ動画だ。地元でとれる野菜や果物などの農作物、魚貝類や海藻などの海産物を食材として使ったオリジナルレシピを開発し、Facebookなどのソーシャルメディア上で配信させていく。

「DELISH KITCHEN」 マーケティングソリューションズ マネージャーの三ツ中菜津美氏は、「レシピ動画を使って20代から30代の料理をする人に対して、地元の食材の魅力を伝えたいという問い合わせを全国各地からいただいています」と話す。

実際に、宮城県は宮城県産トマトの魅力発信・消費拡大に向けて、同じく同県の特産品である「白石温麺(しろいしうーめん)」を使ったレシピ動画「あけてびっくり!丸ごとトマトのさっぱりうーめん」を公開。その結果、動画は40万回以上も再生され、そのコメント欄には県外からだけでなく、「自分たちの県の食材が、注目されてうれしい」といった県内からの声も寄せられた。

三ツ中氏は、「どの地域にも魅力的な食材がたくさんあります。メインの一品に絞るだけでなく、料理に使えそうな食材を探して、複数の特産品を盛り込むようにしています」と話す。この宮城県の動画では、仙台・宮城観光PRキャラクターで、ゆるキャラの「むすび丸」も登場している。

また、北海道漁業協同組合連合会は、地元で獲れた昆布を使った「昆布たっぷり味噌パスタ」、ホタテを使った「プリプリほたてのチリソース煮」を制作。魚介類を使った調理経験の少ない若い世代に向けて、それらが簡単に使える上、美味しいことを伝える狙いだ。

「各地域の担当者の方は、自分たちの食材の強みは理解しているものの、若年層に興味をもってもらうための伝え方が分からないという課題を抱えています。そこで私たち「DELISH KITCHEN」の知見とターゲットへの訴求力をお役立ていただいています」(三ツ中氏)。

次ページ 「ふるさと納税の寄付金が140%に 地域の食品メーカーの活用も」へ続く



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