ブレーン主催のオンライン動画コンテスト「BOVA」が今年5回目の開催を迎え、審査員や審査基準を新たに10月からスタートした。それに際し、トークイベント「BOVA 2018 キックオフナイト」が10月31日に開催された。
「BOVA 2018 キックオフナイト」では、今回から審査員長を務める電通 佐々木康晴さんより「新・審査基準」について、またバズ動画を数多く手がける鬼ムービーチームより「拡散されるオンライン動画のプランニング」について、それぞれプレゼンが実施された。
それぞれのダイジェストをレポートする。
審査員長 佐々木さん「オンライン動画の価値や意味を改めて作り直していきたい」
佐々木康晴さん:今回BOVA2018の審査員長を拝命しました、電通の佐々木康晴です。僕は実はCMプランナーではなく元々コピーライターで、いまはデジタルクリエイティブを推進する役回りをしています。その立場からオンライン動画を改めて見直し、これからの「オンライン動画」を探していきたいと思い、審査員長を引き受けました。
僕は第1回からBOVAの審査員をしているのですが、その頃の印象はいい意味でこれまでのCMとは違う「変な」作品が多かった。でも最近は型にはまった普通の作品が増えてきていると感じています。
BOVA2018では、皆さんに改めてオンライン動画とは何かについて考えてほしいと思います。オンライン動画というジャンルができて、まだ数年しか経っていない。BOVAもできてまだ4年。でも、みんなオンライン動画というお題に対してCMの延長線上や、すでに世の中に出ている動画の固定観念にとらわれてしまっている。例えば、ちょっといい話の長いCMのようなものが増えています。
それって本当に何千本、何千万本とアップされるオンライン上で見てもらえるのか、誰も見ないかもしれないという前提に立てているか、それを見た人はわざわざシェアしたくなるのか、ということを改めて考えてみてください。
今回はぜひみなさんと一緒にオンライン動画の価値や意味を作り直していきたい、そしてオンライン動画を面白いものにしていきたいと思っています。
<新しい審査基準について>
審査基準1
まず1つ目は、「拡散したくなるか」。
数ある動画の中で、わざわざ探してくれて、見てくれて、シェアまでしてくれる動画を作るためには、届けたいターゲット1人ひとりがちゃんと見えているかが重要です。
審査基準2
次に「新しさがあるか」。
長尺のおもしろい、泣ける動画というだけでなく、「縦型ならでは」「長尺ならでは」とオンライン動画だからこそできる表現があると思います。時間と関連して夜見るとおもしろいなどもあるかもしれません。
審査基準3
そして、広告になるためには「課題を解決するか」がもちろん必要になります。
これについては、オリエンを聞いて、一度疑ってみてほしいと思います。商品を知ってもらいたいというオリエンをそのまま受け取ってしまうと単なるCMになってしまう。オンライン動画でどういったものが受けるのか、それがどうすれば商品に結びつくのかを、一から考えてみてください。
このままだと安い動画をたくさん作って、ビュー数が多いものやクリック率がいいものが、たくさんの動画の中で顕彰される方にいってしまう。クリエイティブの立場として、そうなってしまう前に、つまらないオンライン動画があふれてしまう前に、これまでに見たことなかったアイデアでオンライン動画の価値を示してほしいと思います。そうしたアイデアを審査員一同、お待ちしています。